知財に関する大阪弁護士会の取り組み

日米知財訴訟セミナーが開催されました

 大阪弁護士会、弁護士知財ネット、日本弁理士会近畿支部、関西特許研究会(KTK)、国際弁理士連盟日本協会(FICPI JAPAN)の共催で、平成22年6月21日午後2時から午後5時30分大阪弁護士会2階ホールにおいて、「日米知財訴訟の明日」と題し、日米知財訴訟セミナーが開かれました。

 第1部では、米国連邦巡回裁判所(CAFC)のチーフジャッジであるRandall R.Radar氏にご講演いただきました。
 チーフジャッジとしての責務、損害賠償及び不衡平についてご講演いただきました。知的財産件に関する訴訟の国際的な調和を図る必要性を述べられ、知財国際会議を開催して広く議論を行うことを提案されました。また、ディスカバリー費用の低減に向けた提言(e-ディスカバリーについて5つのキーワードで検索したものに限定する等)が行われたほか、損害賠償ではentire market ruleを修正し、寄与度を検討すべきこと等について講演をされました。

 第2部では、知的財産高等裁判所第三部部総括判事である飯村敏昭氏にご講演を頂きました。
 クレーム解釈について、特許法104条の3創設との関係、侵害訴訟と審決取消訴訟における判断、侵害判断と無効判断の論理的な関係等について具体的にご講演を頂きました。

 第3部では、Randall R.Radar判事、飯村敏昭判事、東京大学先端科学技術研究センター知的財産大部門教授 玉井克哉氏、弁護士 松本司氏の4名をパネリスト、弁理士 川上桂子氏をコーディネーターとして、クレーム解釈及び損害賠償額の算定ルールについて議論をしていただきました。
 日米の知財訴訟における考え方の異同についてパネリストの方々で活発な議論がなされ、大変興味深く有意義な内容でした。

 なお、本セミナーには、弁護士67名、弁理士289名、一般参加者68名(KTK会員9名含む)、合計424名という多数の方がご出席されました。
 セミナーの後は、大阪弁護士会10階において懇親会を開催し、ご講演いただいた方々を含めて85名の方が参加され、賑やかな交流の機会となりました。