大阪弁護士会の活動

人権擁護委員会

いわゆる日の丸・君が代問題に関する事例(その1)

2016年(平成28年)3月18日

 大阪市立東井高野小学校教員である申立人が、卒業式に出席するに際し、自らの信条に基づき君が代斉唱時の不起立・不斉唱の態度表明をする旨申し出たところ、当時の同小学校校長(以下「校長」という。)は、大阪市教育委員会からの指導を受け、申立人に対して複数回にわたり起立斉唱をするよう説得したが、申立人がこれに応じなかったことから、大阪市の施設における国旗の掲揚及び教職員による国家の斉唱に関する条例(平成24年2月29日公布・施行。以下「本件条例」という。)に基づき卒業式等における起立斉唱を命じる職務命令を発した。しかし、申立人は、当該職務命令に従わず起立斉唱を行わない意思を表明してことから、校長は、申立人に対して、卒業式当日は、始業から式典終了まで職員室内での電話対応業務に従事することを命じる職務命令を発し、申立人は卒業式に出席することができなかった。
 上記事案について、校長及び大阪市教育委員会に対し、学校行事(式典)を本件条例に従い円滑に進める目的であったとしても、その手段として当該教職員に対して起立・斉唱を強制するのではなく、行事への途中入場又は退場を許可する等、思想及び良心の自由により配慮した取扱いをするよう要望した。
 また、大阪市会議長に対し、本件条例第4条について、同条に基づき、教員に対してその思想信条に反して国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱することを強制することがないよう、上記条例の一部改正又は一部廃止の議案上程を要望した。

いわゆる日の丸・君が代問題に関する事例(その1)

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