2018年4月2日 (月)

国選弁護について思うこと

先月、弁護士になって初めて無罪判決を獲得しました。

 

ここだけ見るとよかったじゃないか!となるのですが、弁護人としては非常に不本意で、公訴事実3件全ての無罪を争っていた中、無罪になったのは1件だけ、2件については有罪とされ、しかも、実刑判決となってしまいました。

 

保釈中の被告人に実刑判決が下された場合、保釈はその効力を失いますので(刑訴法343条)、被告人は判決を受けたのち、バーの外に出ることなく、法定脇の小さな扉から拘置所に連れて行かれることになります。

荷物を取りに戻るなどそんな悠長なことはできませんので、保釈中の被告人で実刑が予測される場合には、事前に荷物をまとめてくるよう言うようにします。

 

このようにして被告人が再び勾留をされるに至ってしまった場合でなおかつ控訴する場合、身体拘束から解放されるためには再び保釈をする必要があるのですが、1審判決が出てから控訴審の国選弁護人が選任されるまでには1か月ほど時間が空いてしまうのです…!

これ、かわいそうじゃないですか?

 

弁護人の選任は審級ごと(刑訴法32条2項)なので、1審の国選弁護人としては、控訴申立書を提出したら終わりで、その後の保釈申請をすることはありません。

法テラスに提出する国選弁護人の報告書も、判決の内容がどうなったかまでしか報告をする欄はありません。

制度の狭間なのでしょうが、一定の場合には1審の国選弁護人が引き続き必要な弁護活動をすることができて、その活動費用についても国選弁護報酬として考慮がされるような仕組みができればいいのになぁ、と思っています。

 

 

 

 

 

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