弁護士の放課後 ほな行こか~(^o^)丿 http://www.osakaben.or.jp/blog/ ja 倒木被害と工作物責任について http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/130/entry/2485 <p>先日の台風21号、24号により被害を受けられた皆様に謹んでお見舞い申し上げます。</p> <p>&nbsp;</p> <p>■ 大阪では、特に21号の際に各地で倒木被害が発生し、高槻市北部の樫田地区(山間部)では100ヘクタール以上、1万数千本以上の被害が発生しているとの報道にも接しました。その他、未だに被害の全容が明らかではない地域があるようです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>今回の倒木被害は、もちろん、台風の勢力それ自体が大きかったということが一因かと思われますが、今後、樹木自体の状態が影響して、台風時、大雨時などに、大規模な倒木被害が発生する可能性があります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>というのも、、、</p> <p>&nbsp;</p> <p>■ ご存知の方も多いかと思いますが、第二次世界大戦中の必要物資や戦後の復興資材を確保するために大量の木材が必要とされたことから、かつて我が国では大規模な森林伐採が行われ、これにより国土の多くの部分がはげ山になっていました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>戦後は、その緑化のために、伐採跡地への植林が進められ、昭和20年代半ば(1950年代)から昭和40年代半ば(1970年代)にかけては、毎年30万ha以上の植林が行われ、ピーク時には、年間40万haを超える植林が実施されました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>特に、昭和30年代(1950年代半ば)以降には、石油、ガスへの燃料転換により薪炭需要が低下するとともに、高度経済成長の下で建築用材の需要が増大する中、薪炭林等の天然林を人工林に転換する「拡大造林」が進められました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>問題となるのは、この「拡大造林」のときに大量に植樹された、スギ、ヒノキといった針葉樹です。</p> <p>&nbsp;</p> <p>もともと、これらの針葉樹は、建築用途に適し経済的価値が見込めるだろうということで、植樹されたようです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>しかしながら、ご存知のとおり、国産のスギなどは、殆ど建築用途に使われていません。国内の建築用途の木材の殆どは、外国からの輸入材になっています。</p> <p>&nbsp;</p> <p>その結果、伐採適齢期をゆうに超えているにもかかわらず、放置された人工林が日本中に発生してしまいました(以上、拡大造林の歴史については、林野庁、平成22年度「森林・林業白書」等を参照。)。</p> <p>&nbsp;</p> <p>昨今の災害時の大規模な倒木被害は、この、拡大造林政策時に植樹された人工林で発生しているケースがあるようです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>スギやヒノキは、根を深く張らない針葉樹であるうえ、人工林は挿し木から育てるため、根が浅く、密度も低いのです。さらに拡大造林時には相当に密集させて植樹をしたことで、より一層根が広がりにくくなっています。</p> <p>&nbsp;</p> <p>その結果、大規模な水害を受けると、一斉に倒木してしまうという機序があるようです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>■ これを法律問題として見ると、将来的に、間伐などをせずに人工林を放置していた場合、工作物責任の問題が生じる恐れがあります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>実際、樹木の管理を怠ったことを理由として、樹木の所有者に工作物責任に基づく損害賠償義務を認めた裁判例は過去に多数存在します(直近で報道などされて有名になったものとして、2013年10月、台風26号の際の日光杉並木の倒木に関する民事裁判があります。)。</p> <p>&nbsp;</p> <p>拡大造林は、もともと国策で行われたものであり、その後始末を、誰の費用負担で、どのように行うかは、難しい問題ではありますが、この問題をこのまま放置すると、いざ損害が発生した場合に、先鋭な紛争が発生してしまうかもしれません。</p> <p>&nbsp;</p> <p>(本記事の内容は、執筆者の個人的な見解に基づくものです)</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/130/entry/2485#comments 法律問題 Tue, 02 Oct 2018 04:56:56 +0000 046690 2485 at http://www.osakaben.or.jp/blog パラリーガル http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/214/entry/2484 <p>今ではテレビドラマや新聞報道でも「パラリーガル」という名称が使われています。</p> <p>&nbsp;</p> <p>この名称は弁護士の業務を補助する者を指していますが,弁護士会ではパラリーガルという名称を使用していません。弁護士倫理(非弁防止)の観点から名称だけが一人歩きするという懸念が理由の一つのようです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>ただ,我々弁護士の業務に事務職員の適切な補助が重要であることは言うまでもなく,事務職員の能力向上は弁護士業務の充実に繋がることも間違いありません。</p> <p>&nbsp;</p> <p>日弁連では,パラリーガルという名称は使っていないものの,平成21年から事務職員の能力認定制度が始まっています。今年も認定試験が実施されました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>大阪弁護士会では,事務職員の認定制度の発展・充実と合格者にインセンティブを与えることなどを目的として,全国に先駆け,合格者用の身分証明書用紙として「ゴールド身分証明書」を販売したり,一昨年からは「合格祝賀会」を開催したりしています。</p> <p>&nbsp;</p> <p>今年は10月11日(木)18時から「秋の事務職員交流会」(大阪弁護士会館2階)と銘打って,メディアでもご活躍中の亀石倫子先生にご登壇いただく予定にしています(ただし,大阪弁護士会会員と同会員の事務所所属の事務職員に限定の企画です。)。</p> <p>&nbsp;</p> <p>世間では「パラリーガル」という名称が当たり前のように使われ始めている昨今,社会においても,そして弁護士業界においても,これまで以上に事務職員の重要性が理解され,名実ともに事務職員に係る制度を発展させる時期に来ているのではないでしょうか。</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/214/entry/2484#comments Tue, 25 Sep 2018 07:03:43 +0000 029521 2484 at http://www.osakaben.or.jp/blog 交通事故に関する示談あっせん制度の紹介 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/210/entry/2483 <p>はじめまして。北野英彦と申します。</p> <p>&nbsp;</p> <p>私は弁護士会の交通事故委員会に所属しておりまして、日頃より交通事故被害者を救済する制度の充実に寄与するための活動を行っております。</p> <p>そこで、今回は交通事故の被害者と加害者との話し合いの間に中立・公平な立場の弁護士が入り、示談の成立を手助けしてくれる「示談あっせん」制度を紹介したいと思います。</p> <p>&nbsp;</p> <p>交通事故の案件では、被害者側と加害者側の間で起きている治療費や慰謝料などの賠償問題を話し合って解決することになるのですが、この話し合いがうまくいかないことも多々あります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>そんなときはどうすればよいのか?</p> <p>&nbsp;</p> <p>もちろん、最後の最後は裁判所で訴訟をするわけですが、「裁判所に行くのはちょっと・・・」「どんな手続きをすればよいかわからない・・・」という方もいらっしゃることでしょう。</p> <p>そんな場合、日弁連交通事故相談センターが運営する「示談あっせん」制度を利用することで、賠償問題が早期に解決することがあります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>(日弁連交通事故相談センター 示談あっせんのURL)</p> <p><a href="http://www.n-tacc.or.jp/solution/assen.html" title="http://www.n-tacc.or.jp/solution/assen.html">http://www.n-tacc.or.jp/solution/assen.html</a></p> <p>&nbsp;</p> <p>この示談あっせんは、交通事故の被害者と加害者の間に弁護士が入り、中立・公平な立場で双方から意見を聴取し、示談成立に向けた話し合いを進めていくことで解決を図っていく手続きです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>申し込み手続きは、各地域の相談所で面接相談を受けて頂くことで始まりますので、申し込みの書類もそれほど難しくありませんし、申立手数料は無料です(ちなみに、大阪ですと大阪弁護士会館以外にもなんば、門真、茨木、岸和田、堺、豊中など各所でこの面接相談を受けて頂くことができます。詳しくは上記URLをご参照ください。)。</p> <p>また、弁護士に依頼せずに当事者ご本人の方が手続きを行われることもあります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>私の個人的な経験から言いますと、おおむね2~4回のあっせん期日を行う(期間にして2~3ヶ月)ことで示談が成立する(もしくは決裂する)ことが多く、裁判よりも早期に解決する印象があります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>ただ、すべての交通事故がこの示談あっせんで解決するわけではありません。たとえば、過失割合に大きな争いがある事案はこの示談あっせんの中で解決することは難しいでしょう。</p> <p>&nbsp;</p> <p>この示談あっせんが広く利用されることで、少しでも交通事故問題が早期解決することを願っております。</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/210/entry/2483#comments Tue, 18 Sep 2018 01:27:26 +0000 041516 2483 at http://www.osakaben.or.jp/blog 医療事故調査制度 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/208/entry/2482 <p> </p> <p>初めまして,中村克宏と申します。</p> <p>私は,弁護士会の人権擁護委員会の医療部会に所属しており,医療にまつわる人権問題の研究をしたり,研究結果の報告をしたりしています。そして,医療部会で現在取り上げているテーマが「医療事故調査制度」です。</p> <p>&nbsp;</p> <p>医療事故調査制度は,平成27年10月に施行された比較的新しい制度です。医療機関は,医療によって予期せぬ死亡・死産が生じたと判断した場合,事故を医療事故調査支援センターに報告するとともに,院内で調査委員会などを立ち上げ,原因究明・再発防止策の検討等を行い,調査結果を遺族と医療事故調査支援センターに報告することとされています。そして,遺族は,院内調査結果に納得ができない場合は,医療事故調査支援センター(第三者機関)に調査を依頼することができます。</p> <p>&nbsp;</p> <p>このように,医療事故調査制度は,事故の原因を究明するとともに,事故情報を医療事故調査支援センターにて集約し,分析をして,今後の再発防止に役立てることを目的としています(責任追及を目的とした制度ではありません)。</p> <p>&nbsp;</p> <p>医療事故により家族を失った遺族にとって,事故の原因究明と再発防止は強い願いです。しかし,これまでは,突然に死亡した原因が分からず,医療機関からも十分な説明を受けられない場合,遺族は原因究明のために裁判をせざるを得ないというケースがありました。医療事故調査制度の創設により,原因究明・再発防止のための新たな方法ができたといえます。</p> <p>&nbsp;</p> <p>医療事故調査制度の開始から約3年が経ちますが,センターへの事故の報告件数は年間約400件であり,制度立ち上げ時に想定された年間1300~2000件という数に比べてかなり少なく,その認知度や,制度の理解度には疑問があります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>せっかく新しく創設された制度ですので,有効に活用されなければなりません。そのためにも,まずは医療事故調査制度の存在が広く知られるようになればと思っています。</p> <p>&nbsp;</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/208/entry/2482#comments 法律問題 Wed, 12 Sep 2018 01:15:29 +0000 030616 2482 at http://www.osakaben.or.jp/blog サルスベリ http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/111/entry/2481 <p>まず、今般の台風や地震により被害に遭われた皆様に衷心よりお見舞い申し上げます。</p> <p>&nbsp;</p> <p>さて、今朝、愛犬の散歩の時間帯は肌寒く、秋の訪れをはっきりと感じるようになりました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>7~8月に最盛期を迎えるサルスベリも間もなく花が終わるころだと思います。</p> <p>サルスベリは花が長持ちするので百日紅(白い花もありますが)とも呼ばれます。</p> <p>&nbsp;</p> <p>このサルスベリ。樹皮がすべすべした感触で、猿が登ろうとしても滑ってしまうということで「猿滑」という漢字があてられています。</p> <p>何も調べずに、字面から猿は滑るんだとしばらく思っていましたが、実際には猿は滑ることなく簡単に上ってしまうそうです。</p> <p>ちゃんと調べて裏付けしないといけないですね。</p> <p>&nbsp;</p> <p>猿も滑りそうなほど幹がつるつるしているというところから、花言葉として「愛嬌」「不用意」があるそうですし、ほかにも「雄弁」「潔白」「あなたを信じる」なんていうのもあるそうです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>もうすこし季節が進めば弁護士会館そばの中之島バラ園で秋咲きのバラが楽しめるでしょうか。</p> <p>なかなか余裕が無い日常ですが、せめて街で見かける花を楽しめたらと思います。</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/111/entry/2481#comments Tue, 11 Sep 2018 06:12:43 +0000 039110 2481 at http://www.osakaben.or.jp/blog