弁護士の放課後 ほな行こか~(^o^)丿 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/107 ja 奈良少年刑務所跡地 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/107/entry/2490 <p>奈良・般若寺の近くに奈良少年刑務所(平成28年度に廃止なので、正確には元少年刑務所)があります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>この建物は、不平等条約の撤廃をめざした明治政府が、国際水準の監獄を作り近代化を進めることを目的として建築したもので、ハビランド方式という、中央監視所から放射状に広がる5棟の舎房が一望できるスタイルのものです。定員700名弱。</p> <p>&nbsp;</p> <p>表門と庁舎は、明治時代に築造された赤煉瓦で、最近まで実際に使用されていた名建築として著名です。</p> <p>今後はホテルに生まれ変わる計画のようで、11月下旬の連休中、最後の一般公開として、同地で「奈良 赤レンガ フェスティバル」が開催されました。連日大賑わいのようで、私が行った日も若い女性グループやカップルを中心に大勢の見学者がいました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>プロジェクションマッピングあり、グッズの販売あり、驚いたのは、1時間1000円を払えば、特別シートをもらって舎房の部屋の中で、1時間飲み食いできる企画もあり、ビールとつまみで盛り上がっているグループもありました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>おそらく多くの方にとっては、監獄だの刑務所だのは、非日常の世界であり、どんなところか興味一杯なんでしようね。わが同伴者も、「へー、へー、どんな人がここに入ってたんやろ」と言いながら、熱心にきょろきょろ見回していました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>隣にいたお母さんが同伴の子どもに「悪いことしたら、ここに入れられるのよ」と説明していました。お母さん、100%間違ってはいませんが、正しくもありません。奈良少は、少年刑務所とはいえ、比較的若年で犯罪傾向が進んでいない成人も多く収容されており、更生のための職業訓練に力を入れていたと聞いています。ここは、道を間違った人がやり直すための更生の場、再生の場でもあるのです。刑罰は応報のためだけでなく、特別予防の意味もある、などと刑事政策で学んだ言葉を思い出していました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>しかし、監獄の近代化を目指して作られたとはいえ、規律違反者・反抗的人物の懲罰房である重屛禁室(狭くて真っ暗)や精神病者が暴れると入れられた隔離病舎等々、人権侵害極まりないところも残っていました(戦後は使用していないという説明)。</p> <p>&nbsp;</p> <p>弁護士的には、現在の刑務所にも、まだまだ多くの問題点があることは日々感じており、人権侵害救済申立てがあれば、調査をし、是正を求める活動をしています。今後も、問題がないか注視していくことが大事だなと実感しました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>ところで、今、カルロスゴーン元日産会長が金商法違反で逮捕、勾留され、諸外国から、取調べに弁護人の立会権の無いこと等々密室取調べの後進性が指摘されています。</p> <p>11月30日午前9時半から、近畿弁護士会連合会人権擁護大会では、弁護士の取り調べへの立会権をテーマにシンポジウムが開かれます。国際的な逆風が吹く前に、国内のわれわれの手で、冤罪の温床である密室取調べの弊害を指摘し改善への活動をしていくことが必要です。</p> <p>&nbsp;</p> <p>そんなことを考えながら、庁舎の外に出ると、綺麗な赤レンガの表門の上に、まあるいお月様がぽっかりと輝いていました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>どんなホテルができるのでしょうね。</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/107/entry/2490#comments Mon, 26 Nov 2018 05:22:21 +0000 015185 2490 at http://www.osakaben.or.jp/blog 日弁連副会長の女性クォータ(割当て)制導入 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/107/entry/2425 <p>昨年12月8日の日弁連臨時総会で日弁連副会長の女性クォータ制が導入されることとなりました。現在、各ブロックから選出された9名と東京3会と大阪から選出された4名の計13名の副会長がいますが、更に2枠増やして15名とし、この2枠は女性から出すというものです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>今、女性活躍の時代と言われていますが、まだまだ企業、組織の政策・意思決定機関に女性が占める割合はグーンと低いというのが現状です。内閣府では、何とかその割合を3割にしたいと各方面に要請しているところです。</p> <p>日弁連の女性会員の割合は現在約18%で、私が弁護士登録をしたころは4.5%だったことに比べればそれなりに増えましたが、まだまだ半部には程遠い状況です。ましてや、1949年に日弁連が創立されてから69年、その間に日弁連副会長は7.800名はいると思いますが、その中で女性副会長はたったの12名です(どんだけ、男社会やねん!)。</p> <p>&nbsp;</p> <p>それでも最近では各年度に1ないし3名は女性副会長が輩出している年度が多いのですが、まったくゼロという年もあります。もう少し時期を待てば女性副会長の割合も増えてくるよというご意見もありますが、「そんなんいつになるか分かれへんやん。それまで待ってられへんわ」です。</p> <p>&nbsp;</p> <p>何故女性割合を増やす必要があるのか。諸外国では女性役員がどんどん増えているのに日本の組織だけがいつまでも意思決定機関に黒っぽいスーツを着た男性しかいないというのはどこか変です。そこで、正しく女性の意見、ニーズが反映されるでしょうか。</p> <p>&nbsp;</p> <p>制度実現に向かって取り組んだ立場としては、制度が成立してひとまずよかった、弁護士会だけでなく社会に一石を投じることができればいいなという思いですが、現実の問題として、これから最低二人以上手を挙げてくれる人を発掘しなければいけないと思うと身の引きしまる思いです。現在の副会長職は激務です。無駄をなくして環境を整備しないと、参入障壁があります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>それを整備し、いずれは、クォータ枠だけでなく従来の13名枠にもどんどん女性が参入し、いずれは半分が女性という時代が来ることを楽しみに、長生きしようっと。</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/107/entry/2425#comments Tue, 16 Jan 2018 05:54:55 +0000 015185 2425 at http://www.osakaben.or.jp/blog おもてなしの心 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/107/entry/2406 <p>10月10日、もうすっかり秋ですねぇ、というべきところ、今年はまだ気温高めです。おかけで、未だ衣替えができていない我が家ではまだ夏服を着ることができるので助かります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>さて、秋はいろんな諸行事が重なり、時間的にも気分的にもあわただしく過ぎていきます。</p> <p>&nbsp;</p> <p>10月5,6日と滋賀県大津市で日本弁護士連合会の第60回人権擁護大会が開かれました。全国から2千名近くの弁護士が集まり、人権課題を議論するという大会です。全国から集まるということで、これを機会に翌日から、地元の人間が幹事となり同窓会的な旅行が組まれることが多くあります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>というわけで、今年は近畿管内の私が幹事として、平成26年度日弁連正副会長会ご一同様の滋賀旅行を企画しました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>実は、私の夫は滋賀人です。観光の相談をしましたところ、「滋賀は琵琶湖の他は何もないで」という郷土愛のかけらもないというかおよそ滋賀観光大使にはなれないアドバイスをもらい、それを信じて「ぐるっと琵琶湖一周旅行」を企画しました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>途中近江八幡の水郷巡りと彦根城にはいきましたが、その他はただただ、琵琶湖をバスで回り、ホテルに泊まって普通の宴会料理という何のひねりもないある意味単調な企画です。</p> <p>&nbsp;</p> <p>私は基本的に単身での気ままな旅が好きなので、こういう団体旅行の企画はあまりしたことがありません。幸い仲間たちは、「このような幹事の役目にはおよそ向いていない石田さんが頑張ってるという点でOK」とかいろいろ励ましてくれたので、これで良しと思っていました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>ところがです。2.3年前の日弁連正副会長会も同種の企画をし、やはり琵琶湖を回る旅をしたのですが、その内容は実に盛りだくさん。</p> <p>&nbsp;</p> <p>比叡山延暦寺を参拝し、竹生島にも行き、長浜の町を散策し、湖西の国宝級の仏像を拝観し、庭園を楽しみ、彦根城と近江八幡水郷巡りと、なんと盛沢山にしてしかも余裕のある行程。</p> <p>&nbsp;</p> <p>お宿も近江牛尽くしの食事と、滋賀でこれだけの充実したおもてなしができるとは。</p> <p>むむむ、この企画の幹事役を務めた大阪弁護士会の元会長に完敗です。お見事です。これって絶対綿密な調査をし、もしかすると下見くらいしているのかなあ。</p> <p>&nbsp;</p> <p>改めて私にはおもてなしの心がかけていると痛感した秋の日でした。</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/107/entry/2406#comments Tue, 10 Oct 2017 07:39:44 +0000 015185 2406 at http://www.osakaben.or.jp/blog 来たれ、リーガル女子! http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/107/entry/2383 <p>私が初めて弁護士という人種と会ったのは中学3年生の時である。少年事件を起こしたわけではない。社会(公民)の授業で三権分立というものを学び、司法権は裁判所にあること、裁判は公開されていることを知り、教科書に法廷の図が書かれていたので、友達と確かめに行ってみようと、当時まだ赤レンガだった中之島の旧裁判所を見に行った。中学生でも誰にも止められることなくするりと法廷に滑り込むことができた。</p> <p>&nbsp;</p> <p>そこで見たのは、お年寄りの弁護士が裁判官に向かってぼそぼそと小さな声で話している姿で、全然かっこよくなかった。しかし、無口で話が苦手だった私にとって、あ、これなら私にもできるかなと弁護士という仕事のハードルがグーンと下がったことは間違いない。</p> <p>しかし、世の中そんなひねくれた子供ばかりではない。普通は、将来の仕事をイメージするとき、もっと夢と希望と憧れをもって、進路決定するのが普通だろう。</p> <p>&nbsp;</p> <p>突然、話は変わるが、昔に比べて女性弁護士の数は増えたとはいえ、まだその割合は17.8%にとどまっている。将来法曹(弁護士・検察官・裁判官)を目指して勉強している法科大学院生も女性割合が30%程度なので、すぐには大きく割合が増える見込みはない。しかし、人類の半分は女性なのだから、女性弁護士の割合もそうあってほしい。</p> <p>&nbsp;</p> <p>と、いうわけで、法曹を目指すリーガル女子が増えればいいなと、弁護士会は内閣府と共催で、女子中・高生を対象とした以下のシンポジウムを企画している。</p> <p>&nbsp;</p> <p>開催日 11月23日午後1時から5時</p> <p>場所  大阪大学 豊中キャンパス</p> <p>内容  中身は盛沢山である。</p> <p>&nbsp;</p> <p> まず、日本人初の国連女子差別撤廃委員会前委員長である林陽子弁護士のご講演。</p> <p> その後、法曹三者のパネラーのそれぞれの仕事内容やワークライフバランスについてのパネルディスカッション。</p> <p> そして、簡単な模擬裁判の実演。</p> <p> その後のメイン企画は、10人程度の中・高生と現役バリバリの若手裁判官・検察官・弁護士がひざを突き合わせて、刑事、民事・労働・国際等々10のパートに分かれて、どんな仕事や生活をしているのか、やりがいや悩みについてお話しをして質問を受けるというグループセッション。</p> <p>&nbsp;</p> <p> 実は、昨年、東京でも同種企画があり、私も雑用係としてこのグループセッションの刑事の部に参加したが、実に、面白かった。若い女性法曹がそれぞれの立場で生き生きと仕事をしているのを聞きながら、思わずわが身を忘れて、「ああ、私も法律家になりたーい」と、まじに思ってしまった。学生さんも身を乗り出して聞いており、シンポが終わって帰っていく学生さんから「楽しかったねー」という声が聞こえてきた。</p> <p>&nbsp;</p> <p>関西でもこんな企画したいよなと思い、この企画が実現したが、その準備にみんな一生懸命に取り組んでくれ、どんな出来上がりになるのか楽しみだ。</p> <p>&nbsp;</p> <p>そこでお願いです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>皆さーん、このシンポをお知り合いの女子中・高生に宣伝してください。大人は一応保護者あるいは引率の先生を想定していますが、参加された娘さんに損はさせません。</p> <p>法律なんて興味ないという人も、冷やかしで参加してもらったら、帰りはどうなってるか!夢と希望を持ってもらえます。</p> <p>&nbsp;</p> <p>「来たれ、リーガル女子」 近日大公開です。近々、弁護士会ホームページにチラシを載せてもらえます。詳しくはそちらをご覧ください。</p> <p>&nbsp;</p> <p>お問合せ:大阪弁護士会 人権課 TEL:06-6364-1227</p> <p><a href="http://www.osakaben.or.jp/blog/imce?app=nomatter%7Cimceload@imceInlineImceLoad#" title="テキストエリア へ送る"><img alt="que_ding_ban__1123sinpoziumujian_yi_tirasi_01.png" src="http://www.osakaben.or.jp/blog/sites/default/files/u107/que_ding_ban__1123sinpoziumujian_yi_tirasi_01.png" /></a></p> <p>&nbsp;</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/107/entry/2383#comments Mon, 24 Jul 2017 05:37:04 +0000 015185 2383 at http://www.osakaben.or.jp/blog 雨の日のリスク管理 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/107/entry/2336 <p>土曜の朝、少し都心を外れた駅に降り、目的地までタクシーで行こうと思った。車で5分。しかし、いつもは駅前のタクシー乗り場に2.3台の待機車がいるのに、この日は雨だからか、1台も止まっていない。幸い、乗り場に人もいなかったので、車が来れば1番だし、大丈夫と、傘をさして待っていた。</p> <p>&nbsp;</p> <p>ところが10分経っても20分経っても車は来ない。約束の時間に遅れそうで、少し焦ってきたとき、駅の方向から50代の会社員風の男が来て、「私が先に待ってた」と怒気を含んだ声で偉そうに言う。</p> <p>&nbsp;</p> <p>「待つべき乗り場はここでしょ」とかえすと「雨だろ。駅のひさしの下で待ってたんだ」と当然のように言う。「そんなのわかるわけない。理屈になってない」とやり取りする間も、スーツを着た企業の管理職風の恰幅の男性は、いらいらと腕時計をみている。たぶん、私の目的地と同じところに、同じ時間に行くのではないか、そうなら立場上、あまり品のない言動はできないぞと思ったところに、車が滑り込んできて、彼は当然のように先に乗り込んで去った。</p> <p>&nbsp;</p> <p>幸い、その後まもなく次の車が来て、予定到着時間ぎりぎりに目的地に着くと、案の定、エレベーターホールにその男性らしき人がいて、私がホールに入ると、さっと目を背けて、同じエレベーターに乗らず1台遅らせた。</p> <p>&nbsp;</p> <p>その後、暇な時間にタクシー乗り場の順番待ちの法的権利などに思いを巡らしたものの、考えてみれば、これは単にマナーの問題であって、違法性はないので、私が正しいと言い張っても仕方ない。しかし、この男性、きっと会社ではパワハラを炸裂しているんだろな。そんな顔だ。</p> <p>&nbsp;</p> <p>で、この日はその後リスク管理の話を伺った。あらゆるリスクを想定し、それに対応できる準備が必要云々。</p> <p>&nbsp;</p> <p>・・・ってことは、私も彼も雨の日の、しかも桜のシーズンのタクシー事情をきちんと把握せず、これだけの時間的余裕があれば大丈夫と安易に考えて行動していたわけで、リスク管理が全然できていなかったという点で、われわれは同類ってことかぁ。いやいや、あらゆる場が学びの場である。</p> <p>&nbsp;</p> <p>でも、やっぱりタクシー乗り場から10ないし20メートル離れたところで待っていて「俺が先に待っていた」という理屈は普通理解できないと思う。</p> <p>&nbsp;</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/107/entry/2336#comments Tue, 11 Apr 2017 00:59:09 +0000 015185 2336 at http://www.osakaben.or.jp/blog