弁護士の放課後 ほな行こか~(^o^)丿 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/208 ja 感染症診査協議会について http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/208/entry/2498 <p> </p> <p>明けましておめでとうございます。</p> <p>本年もよろしくお願い致します。</p> <p>&nbsp;</p> <p>私は,大阪弁護士会の人権擁護委員会医療部会に所属している関係で,自治体の感染症診査協議会の委員をさせて頂いています。ここでは,1類から3類の感染症について医師から発生報告を受け,当該患者に対する就業制限,入院勧告又は入院延長の是非等について協議しています。1類から3類の感染症には,エボラ出血熱,ペスト,SARS,MERS,赤痢,腸管出血性大腸菌等様々ありますが,届出が最も多いのが結核です。そこで,結核について紹介します(年始から病気の話ですみません)。</p> <p>&nbsp;</p> <p>結核というと,昭和20年代は日本において最も多い死因であり「死の病」として恐れられていました。しかし,その後に適切な治療法が開発され,近年では,たまに集団感染のニュースに触れる程度の「珍しい病気」という印象ではないでしょうか。もっとも,結核罹患率は,今でも全国平均で人口10万人あたり13人強であり,特に大阪府では人口10万人あたり21人程度であって,日本は未だに世界の中では「中まん延国」と位置づけられています。そして,年間で約1,800人が命を落としている重大な感染症です。</p> <p>&nbsp;</p> <p>結核菌は,人が「咳」をすることで空気中に撒き散らされ,近くにいる人が吸い込むことによって感染します(WHOの「航空機旅行における結核対策ガイドライン」では,航空機内に8時間以上同乗していた場合に感染リスク増大の可能性ありとされています)。ただ,結核菌は紫外線に弱いため,屋外では感染しにくく,また,食器などの物を介して感染することもありません。</p> <p>また,結核に感染(保菌)したからといって,必ず発病するわけではありません。結核菌が体内で増殖し,人の免疫機能に勝った場合に発病することがあります(一般に発病は10%程度とされています)。乳児や高齢者等の免疫機能が低下した人が発病しやすいといえます。そして,症状が進むと、せきや痰と共に菌が空気中に吐き出される(排菌)ようになります(排菌状態でなければ感染の心配はありません)。</p> <p>治療に関して,今は薬が開発され,きちんと薬を飲めば治ることが多いようです。ただ,途中で薬をやめてしまうと、結核菌が薬に対して抵抗力を持ち,薬の効かない菌となる危険があります。ですので,最後まで薬を飲み続けることが重要です。</p> <p>&nbsp;</p> <p>感染症診査協議会では,いくつかの検査方法に基づき排菌状態を確認のうえ,患者自身の回復及び他者への感染防止のため,入院勧告等の是非を判断します。</p> <p>こんな仕事もしております。</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/208/entry/2498#comments 大阪弁護士会、弁護士のこと Tue, 08 Jan 2019 10:26:13 +0000 030616 2498 at http://www.osakaben.or.jp/blog 医療事故調査制度 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/208/entry/2482 <p> </p> <p>初めまして,中村克宏と申します。</p> <p>私は,弁護士会の人権擁護委員会の医療部会に所属しており,医療にまつわる人権問題の研究をしたり,研究結果の報告をしたりしています。そして,医療部会で現在取り上げているテーマが「医療事故調査制度」です。</p> <p>&nbsp;</p> <p>医療事故調査制度は,平成27年10月に施行された比較的新しい制度です。医療機関は,医療によって予期せぬ死亡・死産が生じたと判断した場合,事故を医療事故調査支援センターに報告するとともに,院内で調査委員会などを立ち上げ,原因究明・再発防止策の検討等を行い,調査結果を遺族と医療事故調査支援センターに報告することとされています。そして,遺族は,院内調査結果に納得ができない場合は,医療事故調査支援センター(第三者機関)に調査を依頼することができます。</p> <p>&nbsp;</p> <p>このように,医療事故調査制度は,事故の原因を究明するとともに,事故情報を医療事故調査支援センターにて集約し,分析をして,今後の再発防止に役立てることを目的としています(責任追及を目的とした制度ではありません)。</p> <p>&nbsp;</p> <p>医療事故により家族を失った遺族にとって,事故の原因究明と再発防止は強い願いです。しかし,これまでは,突然に死亡した原因が分からず,医療機関からも十分な説明を受けられない場合,遺族は原因究明のために裁判をせざるを得ないというケースがありました。医療事故調査制度の創設により,原因究明・再発防止のための新たな方法ができたといえます。</p> <p>&nbsp;</p> <p>医療事故調査制度の開始から約3年が経ちますが,センターへの事故の報告件数は年間約400件であり,制度立ち上げ時に想定された年間1300~2000件という数に比べてかなり少なく,その認知度や,制度の理解度には疑問があります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>せっかく新しく創設された制度ですので,有効に活用されなければなりません。そのためにも,まずは医療事故調査制度の存在が広く知られるようになればと思っています。</p> <p>&nbsp;</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/208/entry/2482#comments 法律問題 Wed, 12 Sep 2018 01:15:29 +0000 030616 2482 at http://www.osakaben.or.jp/blog