弁護士の放課後 ほな行こか~(^o^)丿 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/all/201806 ja 不動産の買い方 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/114/entry/2452 <p>ここ数ヶ月,「かぼちゃの馬車」に関する事件が耳目を集めています。</p> <p>ご承知のとおり,「かぼちゃの馬車」はシェアハウスのブランド名で,その建築・サブリース・管理を営む会社が「高利回り,賃料保証」を謳ってオーナーを集め,オーナーは銀行から融資を受けて「かぼちゃの馬車」を購入,ところが,実際にはその会社は賃料を支払うことが全くできず倒産してしまった,というのが事件の概要です。</p> <p>この事件は,その会社の破産開始決定が出たばかり(5月15日付)で情報が少なく,疑問点がたくさんありますが,なかでも,どうして無謀な融資が銀行の審査を通ってしまったのか,という点は大きな疑問点です。その会社については,オーナーを募集している時点で既に賃料を支払う目途が立っておらず,「かぼちゃの馬車」事業の見通しが立っていないのに,なぜ融資の審査が通ってしまったのでしょうか。この点については,オーナーの所得証明書などの融資審査の基礎となった資料が偽造されたのではないか,という意見が出ています。</p> <p>偽造された資料に基づいて無謀な融資を通してしまった銀行(そして,その融資担当者)も大きな損失を免れませんが,一番の被害者がオーナーであることは疑いないでしょう。</p> <p>&nbsp;</p> <p> 「かぼちゃの馬車」ほど大規模な事件は珍しいですし,そもそも「かぼちゃの馬車」のような収益物件を購入する人もそれほど多くはないので,「かぼちゃの馬車」オーナーのような被害は他人事のようにも思えますが,あながちそうとも言い切れません。たとえば,「大阪 ローン詐欺屋」という言葉でインターネット検索をして,検索で見つかった記事をいくつか見てみると,被害が他人事ではないことがわかります。自宅を建てるときにも,このような被害に遭うかもしれません。たとえば,自宅を建てる前に署名捺印した土地の売買契約書・建物建築請負契約書の代金額を業者に偽造され,業者がローン事務を代行するといって偽造した契約書を銀行に提出し,偽造した契約書に基づいて銀行の融資審査が通ってしまうと,自分が署名捺印した契約書の代金額以上の負債を負うことになってしまいます。このような被害は珍しくはありません。</p> <p> そんなに簡単に契約書の偽造ができるのかという疑問が浮かびますが,契約書の写しならば簡単に偽造できます。まず,複数頁の契約書を作成し,最終頁は署名捺印欄だけにし,それ以外の頁に契約内容を記載します。そして,署名捺印後,最終頁以外の頁をすり替え,最終頁の割り印だけ画像編集ソフトなどで消してしまえば,写しですが,簡単に契約書を偽造することができます。当然,偽造後は各頁の割印や収入印紙の消印がなくなりますが,割印は「押印忘れ」とでも銀行員に説明し,消印は三文判を押せば,銀行の融資審査を通ってしまうことがままあり得ます。もちろん,割印がないことや,署名横の押印の印影と収入印紙の消印の印影が違うことなどの不審事由があり,融資担当の銀行員としては契約書の原本を確認すべきですが,多忙な中で融資担当者が不審事由を見落とすことも少なくないと思います。</p> <p> そして,審査が通り融資が実行されると,業者は,融資額と偽造前の契約書の代金額との差額の一部を,名目を付けて(ひどい場合には名目すらつけず)被害者から持っていきます。</p> <p>融資が実行されてしまうと,その後に契約書の偽造に気が付いても時すでに遅しです。契約書の偽造をするような業者が法人に資力を残していることは少なく,業者からの回収は困難を極めます。他方,銀行との関係では,いくら自分が被害者だといっても,融資金はいったん自分の預金口座に入ってしまっています。ですから,「自分は被害者だ。」,「不審事由を看過した銀行も悪い。」,「錯誤だ,(第三者)詐欺だ。」と言ったところで,自分で融資後のお金の流れを解明しない限り,融資金は不当利得として返還義務を免れません。</p> <p>&nbsp;</p> <p> 被害に遭わないためには色々な方法が考えられますが,少なくとも次の2つを指摘することが出来ると思います。</p> <p> 1つ目は,融資金の流れ,いわゆる「金種」を融資実行の前日までに確認することです。融資実行の当日,いわゆる決済日は,目の前の書類に押印するばかりですので確認する暇がありません。確認をするならば前日までです。業者には金種表を出してもらい,手元の見積書・請求書・契約書と照らし合わせれば,偽造などがあれば一目瞭然でわかります。</p> <p> 2つ目は,いわゆる「ワン・ストップ・サービス」は用心してかかることかと思います。冒頭述べた「かぼちゃの馬車」の事件でも業者は,建築・サブリース・管理に加えてローン事務の代行も行っていたようですし,上のような被害においても,契約書の偽造を行う業者は土地売買の仲介・自宅の建築・建築確認申請・ローン事務代行などを一括で行っていることが少なくありません。たしかに,色々な事務を一括で行ってくれる「ワン・ストップ・サービス」は便利ですが,一括で行ってくれるということは情報も一括でその業者に集まるということです。情報が1人のところに集まると監視の目が働かず不正の誘因になりかねません。</p> <p>&nbsp;</p> <p> 不動産の購入は極めて大きな買い物です。気を付けたいものです。</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/114/entry/2452#comments あれこれ Fri, 29 Jun 2018 15:59:23 +0000 047907 2452 at http://www.osakaben.or.jp/blog 夫婦別姓 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/197/entry/2451 <p>いろいろないきさつがあって、夫と私は、どちらも婚姻前の氏を使っている。というか、私たち夫婦は、結婚しているつもりでいるが、婚姻届を出せないので、法律上婚姻していない(事実婚)。なので、「婚姻前」の氏という言い方自体おかしいことになってしまう・・・・。</p> <p>&nbsp;</p> <p>それは、さておき、事実婚の夫婦の問題の一つは、子どもの姓だと思う。</p> <p>長女は、夫の姓にしているが、このために、とってもややこしいことが起きる。</p> <p>&nbsp;</p> <p>学校の書類などの保護者欄に名前を書くとき、つい、自分の苗字を書いてしまうと、そんな苗字の子どもはいないということになってしまう。</p> <p>また、先生や他の保護者の方が、私を呼ぶときにも、夫(子ども)の苗字で呼ぶので、しばらく、自分が呼ばれていることに気づかないことがある。</p> <p>&nbsp;</p> <p>幼稚園の時は、「○○ちゃんのママ」とだいたい呼ばれるので、あまり問題はなかったし、幼稚園にも他のママたちにも、夫婦別姓であることを伝える機会があった。</p> <p>でも、小学校では、あまりそのような機会もなく、学校から電話がかかってきて、つい、自分の苗字を電話口で名乗ると、先生も混乱してしまう。</p> <p>&nbsp;</p> <p>別に、絶対、自分の苗字で呼んでほしいとか、自分の苗字を名乗りたいとかではなく、先生や保護者の方に、何と呼ばれようが、気にしてないのだけど、名前というものは、小さい頃から身体に刷り込まれた条件反射のようなものなので、油断していると、つい間違ったり、反応できなかったりしてしまって、反省しながらも、楽しんでいる。</p> <p>&nbsp;</p> <p>だから、苗字を夫に合わせようとは、全然思ってない。</p> <p>&nbsp;</p> <p>昔は、夫婦で同じ苗字がよくて、夫が合わせてくれないかな―なんて思ったりもしたけど、今は、違いを楽しんでいるので、早く、別姓で</p> <p>婚姻届が出せるようになることだけ、待ち望んでいる。</p> <p>&nbsp;</p> <p>&nbsp;</p> <p>&nbsp;</p> <p>&nbsp;</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/197/entry/2451#comments 家族・ペット・家電 Thu, 28 Jun 2018 02:14:40 +0000 036833 2451 at http://www.osakaben.or.jp/blog 「ワールドカップ」 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/115/entry/2449 <p>4年に一度のサッカーのワールドカップが開催されています。</p> <p>&nbsp;</p> <p>前回私がこの弁護士会のブログを担当したのは平昌五輪のフィギュアスケート男子で、今回はワールドカップと、このような世界的イベントの時に担当が回ってくるのはありがたいことです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>私は、スポーツ観戦では短い時間で結果が出るフィギュアスケートや競馬が好きで、サッカーのような長時間競技はあまり見ないのですが、ワールドカップは見ます。</p> <p>&nbsp;</p> <p>サッカーファンの中には、ワールドカップよりクラブチームによるリーグ戦の方が面白いという方も多く、確かにプレーはクラブチームの方がレベルは高いのですが、私はワールドカップの方が好きです。それは代表チームが国民性を反映した独特の個性を持ったチームとなることが多く、大会毎に新たな発見があるからです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>今回目立ったのはアイスランド代表。とにかく大柄な選手が鉄壁の守備をしつつ、速いカウンターでアルゼンチンを苦しめました。これぞバイキングの末裔に相応しいチーム。応援のバイキングクラップもユニークです。</p> <p>&nbsp;</p> <p>そしてセネガル代表。セネガルといえば、2002年日韓大会でフランスに対し歴史的勝利を収めベスト8まで進みましたが、今回はその時以来の出場です。当時のブルーノ・メツ監督もカッコ良かったですが、今回のシセ監督は当時のメンバーで今大会最年少で唯一のアフリカ系監督で、やはりカッコいい。見事なドレッドヘアのルックスだけでなく、「夢を大きく持たなければならない。だが小さく始めなければならない」などの名言があります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>そして日本代表もなかなかの健闘を見せています。現時点での世界ランキングは60位なので、グループリーグの対戦相手は全て格上なのですが、初戦の対コロンビア戦でいきなりPKを決めて先取点。一度は追いつかれましたが、後半になって動きがよくなり、「半端ない」大迫選手が得点を挙げ、見事に勝利。</p> <p>&nbsp;</p> <p>そして、第2戦は先ほど取りあげたセネガル戦。昨夜はこの第2戦を見ていました。風呂に入っている時に先取点を取られてしまいましたが、前半のうちに追いつき、終了まぎわでは見事なオフサイドトラップを決めました。そして後半26分でセネガルに得点を許し、以前ならこれで力尽きるところ、今回はこれで終わらない。33分に同点ゴールを決め、2対2のドローで勝ち点1を挙げ、勝ち点4として、あとは最終戦次第です。</p> <p>&nbsp;</p> <p>最終戦も、思い切りプレーしてもらいたいものです。</p> <p>&nbsp;</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/115/entry/2449#comments Mon, 25 Jun 2018 09:43:38 +0000 023707 2449 at http://www.osakaben.or.jp/blog 法律ドラマ法律監修の「感覚」 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/98/entry/2448 <p>「リーガルハイ」(フジテレビ)、「グッドパートナー」(テレビ朝日)といったドラマの法律監修をさせて頂いておりました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>テレビ関係の法律業務については、色々とさせて頂いているのですが、法律ドラマ監修については、上記法律ドラマの後は特にしていなかったのですが、今般、「ヘッドハンター」(テレビ東京)で少し法律監修をさせて頂きました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>そして、久しぶりに、ドラマプロットやドラマ台本を読みながら、ストーリー展開を法的に論理的に正しくするための事実提案をする「感覚」を思い出しました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>通常の弁護士業務は、事実を拾い、事実を分析し、法的解釈をするものです。法律ドラマの法律監修においても同じような作業をするわけですが、一つだけ異なることがあります。それは、ドラマのストーリーに沿って、想定すべき結果を生み出すために「事実」を「作り出す」ことを提案するという業務があることです。この業務が普段の弁護士業務を見直す機会にもなっております。</p> <p>&nbsp;</p> <p>つまり、ドラマにおいては期待すべき結果やストーリーがあり、そのような結果を生み出すために、様々な事実が必要となります。その事実を「作出」することが重要となります。この事実の作出と提案ということを通じて、普段の弁護士業務で行う事実を拾う、事実を分析するという作業がいかに重要かを振り返ることにもなっております。</p> <p>&nbsp;</p> <p>やはり、弁護士にとって重要なのは、事実を見つめ、事実を拾い、事実を分析することなのだと思います。この地味で、コツコツとした作業を疎かにしないこと、そんな初心を大事にしていきたいと思っております。</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/98/entry/2448#comments 本・映画・テレビ Sun, 10 Jun 2018 15:00:00 +0000 041618 2448 at http://www.osakaben.or.jp/blog 嘘の効用 http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/111/entry/2447 <p>末廣嚴太郎(1888年~1951年)という高名な法学者がいました。</p> <p>&nbsp;</p> <p>その末廣博士が雑誌「改造」の大正11年7月号に掲載したのが、この「嘘の効用」という題名の論考です。当時は一般の方にもよく読まれたそうです。</p> <p>1922年の話ですから、96年前の話になります。</p> <p>なお、どうでもいい情報ですが、今も元気に暮らしている祖母が3歳のころの話です。</p> <p>&nbsp;</p> <p>本読んだら眠れるかな~と思ってなんとなく手にとって読み始めたら、面白さに最後まで読んで、結局寝不足になってしまったという私にとって印象深い1冊です。</p> <p>&nbsp;</p> <p>96年前の論考だから、古い考えだ、古典だと思ったら大間違い。</p> <p>現代にも通用する、むしろ、大正のころから今が見えていたのではないかと思えるような鋭い指摘がなされています。</p> <p>&nbsp;</p> <p>最近、日本評論社から新装版が出たので、ぜひ手にとって読んでいただきたい一冊です(※日本評論社からは1円ももらっていません。)。</p> <p>&nbsp;</p> <p>たとえば、こんなくだりがあります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>『法律家は「法律」の範囲内にとどまるかぎりにおいてのみ「専門家」です。ひとたびその範囲を超えるとただちに「素人」になるのです。むろん「専門家」だからといって絶対に「素人考え」を述べてはならぬという法はないでしょう。けれども、その際述べられた「素人考え」は特に「専門」のない普通の「素人」の意見となんら択ぶところはない。否「専門」という色眼鏡を通して、物事を見がちであるだけ、その意見はとかく一方に偏しやすい。したがって普通の「素人」の意見よりかえって実質は悪いかもしれないくらいのものです。しかも世の中の人々は、ふしぎにも「専門家」の「素人考え」に向かって不当な敬意を表します。』(末廣嚴太朗「嘘の効用(新装版)」(日本評論社)6~7頁)</p> <p>&nbsp;</p> <p>色々思うところがあります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>こんな調子で論じられているので、もちろん途中難解な部分はありますが、そういうところは読み飛ばしていただければ、あっという間に読み終わります。</p> <p>&nbsp;</p> <p>何か本を読みたいと思われたときの選択肢の一つにしていただければと思います。</p> http://www.osakaben.or.jp/blog/posts/111/entry/2447#comments 本・映画・テレビ Mon, 04 Jun 2018 12:58:41 +0000 039110 2447 at http://www.osakaben.or.jp/blog