借金名義人を頼まれる 返済義務の有無は? (2014年8月9日掲載)
Q. 仲良しのいとこから借金の名義人になってくれと頼まれています。「返済は自分がするし、絶対に迷惑を掛けない」と言われており、来月に消費者金融へ行くことになっています。いとこもああ言っているし、いざとなれば「名義を貸しただけ」と言えば、僕が返済する必要はありませんよね?
■例外あるも債務者 断りを
A. 結論から言えば、あなたの借金ですのであなたが返済する必要があります。あなたはいとこから頼まれて借金の名義人になろうとしているようですが、貸す側の消費者金融には、あなたの内心までは分かりません。外形上、自分の名義でお金を借りて、自分で返そうとしている人たちとの区別はつかないのです。法律はあくまで、そうした外形を見て債務者が誰であるのかを判断しますので、債務者はあなたということになります。
ただし、法律にも例外はあります。あなたが本当の借金の動機を消費者金融に伝えてもなお、お金を借りることができたら、いとこが債務者になる可能性があります。
そこで、消費者金融にはいとこと一緒に出向き、「借金の名義人として申し込むのは僕ですが、いとこが『迷惑をかけない。自分が借金を返済する』と言うので、これは名義を貸すだけです」と伝えてみてください。そんなことをしゃべったら、消費者金融があなた名義でお金を貸してくれるはずがないじゃないかと思われたでしょうか。でも、あなたがしようとしている名義貸しはそういうことなのです。本来は貸してくれるはずがないことをするわけですから、あなたが責任を負わされたとしても文句は言えません。
今回は、まだ借りる側でよかったと思います。いとこには断りの返事をすることをお勧めします。関係が悪くなるのではと心配するかもしれませんが、いとこは消費者金融から自分で借りることができないほど借金まみれか、最初から自分で返済する考えがないかのいずれかであると考えられます。このまま名義貸しをしてしまう方が関係は壊れるかと思いますので、はっきりと断ることが最善です。
※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。