イベント情報

「先物取引・外国為替証拠金取引被害110番」の実施について

1 110番の実施概要

  1. 実施日時
    平成16年10月21日(木) 午前10時から午後5時
    平成16年10月22日(金) 午前10時から午後5時
    (於 大阪弁護士会館)

  2. 電話番号(3台)
    06―6364−1880

  3. 相談担当者
    当会消費者保護委員会委員及び有志会員

  4. 実施責任者
    消費者保護委員会副委員長 大槻哲也

  5. 電話相談後の処理
    法律相談又は弁護士の紹介を希望される相談者には、当会総合法律相談センターを紹介いたします。

  6. 問い合わせ先
    大阪弁護士会委員会担当室 消費者保護委員会担当事務局(木場)
    (TEL 06−6364−1227/FAX 06−6364−0252)

  7. 主催団体
    大阪弁護士会

2 実施の理由

  1. 先物取引勧誘被害について
    従来より、ハイリスク・ハイリターンの投資商品・投機商品の代名詞として、先物取引が挙げられております。そして、先物取引業者は一般消費者に対して、先物取引のリスクについて明確に認識させることなく、あるいは、リスクについて誤認をさせ、あるいは、リターンのみを極端に強調することにより、投機商品としての危険性を認識させないまま取引をさせる問題が頻発しております。
    また、そもそも、一般消費者は、先物取引の高額のリスクを負担することができないものというべきであり、このような危険な取引に機関投資家でもない一般消費者が関わりうるという状況そのものも行過ぎたものといわざるを得ません。しかも、最近では、新規商品の上場もなされており、取引の拡大に伴うトラブルの増大も懸念されるところです。
    ちなみに、大阪弁護士会総合法律センターにおける先物取引の相談件数は平成15年度が97件であったのが、平成16年度は、9月21日現在で、既に91件となっております。また、国民生活センターのデーターによれば、商品相場・利殖商法に関する相談件数が、2001年度が1885件、2002年度が2392件、2003年度が2932件、2004年度が1067件(8月頃までの数値と思われます)となっており、増加傾向が顕著です。また、日本商品先物取引協会の苦情処理についても、平成14年度が349件、平成15年度が312件となっており、相変わらず苦情が耐えない状況となっています。

  2. 先物取引会社の破綻被害
    のみならず、最近では、先物取引会社の破綻及びこれに伴う顧客保護という問題も忘れることはできないところです。すなわち、平成14年12月には、アイコム株式会社が破綻し、同社に委託していた一般消費者の債権の保護が問題となり、さらに、平成16年には業界最大手と目されてきた東京ゼネラル株式会社も破産宣告を受けております。
    現に、日本商品先物取引協会の平成15年度の苦情処理状況において、返還遅延が57%を占めており(平成16年度も苦情の40.7%を占め、引き続き高率を維持しています。)、上記のようなトラブルが増大していることを示しているものといえます。さらに、このトラブルの一部は、現在も未解決のままに、商品取引所及び社団法人委託者債権補償基金協会の一方的通告により、被害が切り捨てられているという問題も発生しております。
    この問題は、単に商品先物取引会社の破綻に止まりません。そもそも、このような財務基盤の脆弱な業者に免許の更新をし続けてきた国や監督官庁の姿勢にも疑問が持たれているところです。

  3. 外国為替証拠金取引
    さらに、先物取引会社の新種の取扱商品として、外国為替証拠金取引があります。
    そもそも、外国為替証拠金取引とは、一定の保証金を預託すれば、それをはるかに超える米ドル、ユーロの売買を行うという取引であって、商品先物取引や株式の信用取引と極めて類似する構造を持っています。にもかかわらず、外国為替証拠金取引に関して何らの規制もされていないこと、監督官庁がないこと、不適格参入業者が多数跳梁跋扈している状況にあります。しかも、札幌地裁平成15年5月16日判決において、相対取引(つまり、インターバンク市場に取り次いでいない外国為替証拠金取引)は賭博である趣旨の判決も出るに至っています。
    外国為替証拠金取引の取扱業者は、商品先物取引業者のみならず、証券会社、その他資本基盤の脆弱な一般株式会社も含まれますが、商品先物取引と類似する構造、同様の被害発生の危険性があることから、今回の110番の対象とした次第です。

  4. まとめ
    これまで大阪弁護士会では、商品先物取引会社の不当・違法な販売方法により引き起こされた被害事件について適宜対応してきており、また、外国為替証拠金取引に関しては、平成15年9月に、金融庁・農林水産省・経済産業省・警察庁に対して、大阪弁護士会から適正な取引の実現を目指した申入れを行っております。
    このような状況を踏まえ、また、外国為替証拠金取引の被害の問題もあとを絶たないことから、昨年同時期に実施した先物取引被害・外国為替証拠金取引被害110番とあわせて実施することを決めた次第です。なお、今回の110番は、大阪以外の全国各地においても、先物取引問題研究会等の主催により、実施される予定になっております。

以上

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