「証券投資家被害110番」の実施について
- 110番の実施概要
(1)実施日時
平成16年12月3日(金)
午前10時から午後5時
(於 大阪弁護士会館)
(2)電話番号(2台)
06―6311−1731
(3)相談担当者
当会消費者保護委員会委員及び有志会員
(4)実施責任者
消費者保護委員会委員長 山崎敏彦
(5)電話相談後の処理
法律相談又は弁護士の紹介を希望される相談者には、当会総合法律相談センターを紹介いたします。
(6)問い合わせ先
大阪弁護士会委員会担当室 消費者保護委員会担当事務局(武田)
(TEL 06−6364−1227/FAX 06−6364−0252)
(7)主催団体
大阪弁護士会
- 実施の理由
(1) 証券被害が後を絶ちません。大武泰南氏(現「(株)金融証券リサーチ顧問」)著「証券会社が敗訴するとき―コンプライアンスとトラブル防止のために」(ダイヤモンド社)によれば、ここ最近は、年間平均1000件程度の証券事件に関する判決が下されているとのことです。当然、訴訟上の和解に終わった案件はカウントされていませんし、訴訟に至らない示談の場合もカウントされていないわけです。
(2) ことに、近時、有価証券報告書の虚偽記載などの問題で、西武鉄道(株)、駿河屋、日本テレビなど各業態の名だたる企業が新聞紙上をにぎわせています。かかる問題のため、ある会社は上場廃止となり、株式の市場性が喪失するという問題が発生しています。また、これらの問題を起こした企業の株価は急落し、さらには、証券市場の信用失墜という事態を生じさせていることは由々しき問題といわざるを得ません。
この問題は、機関投資家にのみ妥当する問題ではなく、広く、これら株式などを購入した一般投資家にも同様の問題が生じる性質のものです。また、これらの問題は、株式・社債を販売した証券会社の問題に止まらず、上場廃止を決定した証券取引所や、公開情報の真実性を確保することに責任を負うべき金融庁にも問題がないとは言い切れません。
(3) さらに、証券会社が販売・勧誘した社債につき、当該社債の発行会社が倒産することによって、その社債が事実上、紙切れとなってしまったというような問題も発生しています。この問題は、社債発行会社の信用リスクに関わるものでありますが、そもそも社債を発行する会社の信用リスクは、社債の格付を中心に把握されるものです。一般投資家が、当該会社の財務状況を把握することは不可能に近く、また、その情報の真実性は、およそ一般投資家が知りうることができるものではないからです。そして、一般投資家は、格付を設定する格付会社あるいは証券・社債を発行する証券会社の勧誘文言を信頼するしか方法がないわけです。ところが、格付会社が正確性を欠く情報を提示していたり、証券会社が信用リスクについて甘言を弄していたというような場合には、一般投資家・消費者としては、当然に被害に遭うことになってしまうわけです。
(4) 上記の各問題は、日本における証券市場の情報開示の拙劣性、個人投資家・一般消費者の軽視という構造的な問題を孕んでいるということができましょう。
そこで、これら証券取引や証券取引の勧誘に関する問題について、一般消費者・一般投資家の視点で被害の実態を把握すべく、電話相談「証券投資家被害110番」を実施します。
以 上
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