イベント情報

「ロコ・ロンドン商法110番」の実施について

  1. 110番の実施概要
    1. 実施日時
      平成20年7月24日(木) 午前10時から午後4時
    2. 電話番号(3台)
      06―6364−0271
    3. 相談担当者
      当会消費者保護委員会委員及び有志会員
    4. 電話相談後の処理
      法律相談又は弁護士の紹介を希望される相談者には、当会総合法律相談センターを紹介いたします。
    5. 問い合わせ先
      大阪弁護士会委員会担当室
      消費者保護委員会担当事務局(前田、岡本)
      (TEL 06−6364−1227)
    6. 主催団体 大阪弁護士会

  2. 実施の理由
    1. ロコ・ロンドン商法について
      「ロコ」とは「…において」「…渡し」といった意味であり、したがって、「ロコ・ロンドン取引」とは「ロンドンにおいて金を受け渡しする取引」という意味になります。
       本来のロコ・ロンドン取引とは、事業者間の相対で行われるロンドン渡しの金の現物取引の総称を指し、銀行や商社、鉱山会社等、国際的な大手の事業者を中核とする相対取引市場において電話やロイター端末を通して行われる取引のことをいいます。このような取引を行える者は一定の信用力がある者に事実上限定されます。
       これに対し、ここで「ロコ・ロンドン取引」と称する金の取引は、おおむね次の事項を内容とする取引であり、証拠金取引、差金決済など、先物取引に類似する側面を有しています。
      1. 証拠金によるドル建ての金の現物取引。
      2. 決済期限の先延ばし(ロールオーバー)を繰り返すので、事実上無期限になる。
      3. 金利が発生する。
        (決済期限を先延ばしする際、ドルと金の金利差に相当する金利〔スワップポイント、スワップ金利等という〕の受払が行われる。)
      4. 決済する場合は、差金決済を行い、金の現物の受け渡しを前提としていない。
    2. ロコ・ロンドン商法の問題点
       国民生活センターによれば、70歳代〜80歳代の高齢者が取引の仕組みを理解できないまま、100万円以上の高額なお金を投資し、トラブルに巻き込まれているケースが多くみられ、中には、「投資したお金のほとんどが戻らなかった」という深刻な被害もあるとのことです。
       これらの被害者の中には、勧誘時に「今がチャンス」「年6%の金利がつく」などと言われて,高金利の面を強調され、高金利の定期預金と誤解して契約を締結してしまう者も少なくないと考えられます。
       ところが、「ロコ・ロンドン取引」と称する金の取引は、基本的に現物取引であり、取引所において行われる取引ではないことから、海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律で規制される海外商品先物取引や商品取引所法で規制される商品先物取引には該当せず、これらの法律による規制が及びません。
       そのため、ロコ・ロンドン商法による被害・相談事例は増加し、平成19年1月に国民生活センターが、同年2月に経済産業省が、それぞれのホームページに、ロコ・ロンドン商法について被害相談が急増しているとして警告を掲載しました。
       また、日本弁護士連合会も、平成19年3月に、制度の漏れの存在や、賭博罪・詐欺罪・商品取引所法違反等を指摘して、立法関係者や行政に対処を求める意見書を執行しています。
    3. ロコ・ロンドン取引に対する規制と問題点
       このようなトラブル激増に対処するため、特定商取引に関する法律(特定商取引法)施行令が改正され、ロコ・ロンドン取引の媒介が平成19年7月15日から規制対象となりました。
        これにより、以下に述べるように一部の業者が摘発されるに至りましたが、特定商取引法による規制だけでは十分ではありません。
       また、金融商品販売法施行令の改正により、平成19年9月30日から、ロコ・ロンドン取引も同法の対象に含まれることとなりましたが、同法は、業者の損害賠償責任や勧誘の適正の確保を目的としたもので、やはり規制としては不十分であると言わざるを得ません。
    4. 特定商取引法に基づく業務停止命令・強制捜査
       東京都新宿区のロコ・ロンドン取引業者が高齢者に対して「必ず儲かる」「銀行よりも利率がいい」などの訪問勧誘で、ロコ・ロンドン取引契約を締結していたことを理由に、東京都は、平成20年5月1日、特定商取引法違反に基づき、同社に対して6か月間の業務一部停止命令を出しました。
       なお、東京都によれば、同社に関する相談件数は、平成19年度で41件、相談者の平均年齢は69.9歳(最高92歳)、平均契約金額約232万円(最大640万円)とのことでした。
       一方、福岡、山口、熊本の3県警は、平成20年5月26日、高齢者に投資リスクを説明せずにロコ・ロンドン取引の契約を結んだ疑いがあるとして、特定商取引法違反容疑で福岡市内の業者等を家宅捜索し、また、千葉県警も5月29日、同法違反の疑いで、東京都内の業者及び関係先に家宅捜索に入ったとの報道もなされています。
    5. ロコ・ロンドン商法110番の実施について
       以上のとおり、ロコ・ロンドン業者による勧誘・取引による被害は、相変わらず多発しており、大阪府を含む近畿圏内にも相当数の被害者の方々がいるものと思われます。
       そこで、これらの被害実態を調査するため、「ロコ・ロンドン商法110番」を実施するものです。

以 上

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