内容の根拠になる法律は放送された時点のものであり、その後法律が改正されている場合があります。掲載内容はあくまでも、参考にとどめていただき、実際の対応については弁護士に相談されることをお勧めします。

 【 騒音 】

近所のコンビニが深夜うるさい。対策は?
住宅街の騒音防止についてお聞きします。
我が家はとある静かな住宅街に暮らして十数年になります。最近、近所に24時間営業のコンビニエンスストアが開店しました。はじめのうちこそ便利になると喜んでいたのですが、近頃は逆にお店の客が出す騒音に悩まされているのです。
24時間営業なので、もちろん真夜中でも営業しているのですが、客の車やオートバイの音がうるさく、また若い連中が店の前に座り込んで、深夜に大声で話をしたりして迷惑極まりないのです。
お店に、苦情も言いに行ったのですが、お客に対して強くも言えず「ご近所の迷惑になりますので、お静かにお願いします」との張り紙を貼るぐらいのことしかできないというのです。
そこで質問なのですが、このような場合、騒音や風紀を乱すなどの理由で、営業の停止や営業時間の短縮などの勧告や命令を出してもらえるようにできるのでしょうか。
相談者: 兵庫県にお住まいの48才の男性
1.相談者は、静かな住宅街に24時間営業のコンビニエンスストアが開店し、真夜中でも客の車やオートバイの音がうるさく、若い連中が深夜に店の前で大声で話をしたりして、その騒音にお困りのようです。
40ホン以上の騒音(静かな公園での騒音が40ホンにあたるそうですが)は、眠りを浅くし、目覚めさせるなど睡眠を妨げると言われていますから、大変、お困りのことと思います。
このような場合、騒音や風紀を乱すなどの理由で、営業の停止や営業時間の短縮などの勧告や命令を出してもらえるでしょうかというのが、ご質問の要点です。
2.まず、騒音を規制する法律として、騒音規制法という法律があります。この法律では、一定の施設からの工場騒音、建設工事騒音を規制対象とし、定められた騒音の値を超えるときは、知事は事業者に対し、改善勧告や改善命令を出し、その命令に従わないときには刑事罰を適用すると規定されています。
本件に騒音規制法が適用されるかですが、残念ながら、コンビニエンスストアに集まる客が出す騒音は、工場騒音ではなく、また建設工事騒音でもないため、規制の対象にはならず、本件に騒音規制法は適用されません。
3.次に、都道府県や市町村の条例において、事業者が出す騒音を規制し、また、深夜営業を制限している場合があります。
相談者は兵庫県に住まわれているとのことですが、どの市町村にお住まいか判然とせず、相談者がお住まいの市町村の条例を調べることが出来ないため、明確な回答は出来ません。
しかし、条例による騒音の規制や深夜営業の制限の対象となる営業は、例えば、カラオケ装置や音響機器を設置している飲食店の営業であったり、ボーリング場等の営業など、その営業自体から騒音が発生することが予想される営業ですので、コンビニエンスストアの営業は規制の対象とはなっていないと思われます。
4.従って、相談のコンビニエンスストアの営業の停止や営業時間の短縮などの勧告や命令は出してもらえないことになります。
5.なお、軽犯罪法において、「公務員の制止をきかず、人声・楽器・ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者」を処罰する規定があります。但し、相談の状況が明かにこれに該当するものではありません。
6.迷惑を受けているのは相談者だけではないと思いますので、近隣の方と相談されその代表として、コンビニエンスストアに単に張り紙だけでなく、店員が個別に注意をするなどの対応をとってほしい旨の申し入れをされるとともに、一度警察に相談されて定期的に巡回をして注意をしてほしい旨の申し入れをされたらと考えます。
出典: 土曜日の人生相談(2000年2月19日放送分)
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