内容の根拠になる法律は放送された時点のものであり、その後法律が改正されている場合があります。掲載内容はあくまでも、参考にとどめていただき、実際の対応については弁護士に相談されることをお勧めします。

 【 離婚 】

異性との外食や映画鑑賞って不貞行為なの?
不貞行為についてお聞きします。
私たちは結婚5年目の夫婦です。子供はいません。
近頃妻の様子がおかしいのです。昼間用事があって会社から家に電話すると、留守であることが多かったり、家では私に隠れて誰かと電話連絡を取り合っている様子なのです。
浮気を疑った私は、友人に頼んで平日の昼間に外出する妻の様子を調べてもらいました。すると妻は外出先で男性と会っていることがわかりました。ところが2人は、ファミレスで食事したり、映画を一緒に観て、おしゃべりするといった感じで、それ以上の深い関係ではないらしいというのです。浮気の証拠があれば、つきつけてやり、離婚してやろうと考えていたのですが、あれぐらいでは不貞行為とはいえないのではないか、と友人は言います。
そこで伺いたいのですが、離婚原因となる不貞行為とは、どれぐらいのレベルの付き合いからになるのでしょう。食事や映画に行ったぐらいでは、不貞とはいえないのでしょうか。
相談者: 大阪府在住の男性(36才)
民法770条1項1号には離婚原因として不貞行為の存在を挙げています。この不貞行為とは「夫婦の一方が配偶者以外の異性と性的交渉を行うこと」とされています。従って、単に食事や映画に行く程度の付き合いで性的な関係がない場合が同条項を原因とする離婚請求はできません。
しかし、夫婦間の信頼・愛情という心理的交流が喪失し、外観上も夫婦の協同生活が相当期間破壊されてた結果、配偶者が他の異性との交際を行っている場合には、民法770条1項5号にいう「その他婚姻を継続し難い重大な事由がある」(即ち夫婦関係が破綻している)場合に当たるので、配偶者の交際をこの離婚原因を裏付ける事情として考えることなります。
いずれにせよ、離婚をする場合はまず当事者間でよく話し合いをして、それで解決できない場合は家庭裁判所に調停を申し立てることになります。
出典: 土曜日の人生相談(200年11月25日放送)
戻る