内容の根拠になる法律は放送された時点のものであり、その後法律が改正されている場合があります。掲載内容はあくまでも、参考にとどめていただき、実際の対応については弁護士に相談されることをお勧めします。

 【 新法解説 】

痴漢行為は、許せない!
痴漢被害についてお聞きします。
私の娘は大学2年生で、電車で通学しています。
2ヶ月ほど前のこと。朝の通勤通学ラッシュの電車で、隣に立ったサラリーマン風の男性が、やたらに体を押しつけてきたそうです。「おかしいな」と思いつつも、混んでいるので仕方ないのかと考えて、黙っていたところ、なんと手を伸ばして体を触ってきたのです。娘が勇気を出して「何するんですか。やめてください」と大声で言うと、その男性は「何もしていない。濡れ衣だ」と言って、すばやく次の駅で降りていったそうです。
それからしばらくその男性の姿を見ることはなかったのですが、最近になって、少し早い時間の電車でその男性を見かけるようになったそうです。娘は「きっと常習犯でやっているから、現場を取り押さえてやりたい」と息巻いているのですが、もし間違いだったら大変ですし、娘に警察の真似事などされるのも心配です。こういう場合、どう対処するのが最良でしょうか。
相談者: 兵庫県に住む女性(47才)
お母さんのおっしゃるとおり、間違いであればその男性に迷惑をかけることになりますし、また本当に痴漢であった場合も、娘さんが男性を取り押さえるために自ら積極的に動くことが良い結果をもたらすとは考えにくいと思います。相手方の対応によっては娘さんに危険が生じる可能性すらあるのではないでしょうか。警察に被害について申出るのが一番でしょう。
娘さん自身の痴漢被害について今から立件してもらうのはなかなか困難であると思いますが、警察(まずは鉄道警察隊になると思われます。駅員さんに申し出てつないでもらいましょう)に対して、自らが受けた痴漢被害や、その後も少し早い時間の電車でその男性を見かけることについて話をして、積極的な対応を求めるのが良いでしょう。娘さんが積極的に動くのは、警察から協力を求められた場合に、捜査への協力という事で行なうことになるでしょう。
近時各都道府県警では女性の性被害の捜査のための特別チームを作ったり、痴漢被害専用の電話窓口を作ったりすることも増えています。県警本部に問い合わせたり、ホームページを参照したりして適切な窓口を探し、電話などで相談してみるのも良いでしょう。
出典: 土曜日の人生相談(2000年9月23日放送分)
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