ご質問のビンクチラシ投函を防止するための法律や条例は制定されておらず、規制する方法はありません。大阪市を例にとっても、屋外の広告物については規制する条例があるのですが、戸別にビラ等を配布する行為自体は違法ではありません。 当該ピンクチラシがあまりにいかがわしくてわいせつ物に該当するような場合は、わいせつ物頒布罪(刑法175条)により2年以下の懲役等に処せられます。ただ一般的にはわいせつ物に該当するといえるまでのピンクチラシはあまりないと思われます。 繁華街の公衆電話などに貼っているピンクチラシは、売春への誘引のものが殆どであり、これについては警察も売春防止法違反を適用してピンクチラシ貼付を摘発していますが、マンションに投函されるピンクチラシは、(実際はどうか知りませんが)エステ・ヘルス・ファッションマッサージの誘引文言であり、売春防止法違反による摘発はできない状況です。 しかしながら、ピンクチラシを投函するためマンション内に立ち入る行為を問題にすべきだと思います。即ち刑法130条では「正当な理由がないのに、人の住居若しくは、人の看守する邸宅、建造物…に侵入した者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」と規定されています。 一般的にマンションの郵便受けがあるエントランス部分は外来者に開放されており、ここに立ち入る行為は住民全員の推定的承諾があるものとして、住居侵入罪は構成しませんが、社会生活上是認できない行為態様において立ち入る場合には、承諾の限度を超えるものとして、住居侵入罪を構成するとされています。従って、エントランス部分にピンクチラシ投函のための立入りを禁止する旨の立て札等を立て、マンション住民のこのような者に対する立入りを拒否する姿勢を明確にして、その後投函している者を発見した場合は、警察に通報する等の処置をするべきでしょう。
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出典:
土曜日の人生相談(2002年1月26日放送分)
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