大阪弁護士会について

令和5年度 役員就任のご挨拶

会長 三木 秀夫
会長 三木 秀夫
副会長 勝井 良光
副会長 勝井 良光
副会長 高江 俊名
副会長 高江 俊名
副会長 米倉 裕樹
副会長 米倉 裕樹
副会長 山岸 正和
副会長 山岸 正和
副会長 森岡 利浩
副会長 森岡 利浩
副会長 川本 真聖
副会長 川本 真聖
副会長 杉山 洋史
副会長 杉山 洋史

私たち8名は、この度、2023(令和5)年度の大阪弁護士会の会長及び副会長として、4月から1年間、当会の運営を担っていくことになりました。

まかせとき 弁護士の力 全ての街に 全ての人に

これは、私たちが今年度のスローガンとして掲げるものです。
 現在、社会は大きく変容しています。IT化、グローバル化などの急速な進行に加え、新型感染症の拡大やロシアによるウクライナ侵攻などが、我々の生活に大きな影響を及ぼし、新たな人権侵害問題さえ引き起こしています。一方で、新たな世界観、特にSDGsが目指す多様性や包摂性といった価値観の普及という明るい変化も起こっています。数ある社会的課題の中には、法的思考や人権的視点が入ることによって解決する問題が多くあります。SDGsとも繋がりますが、人権擁護と社会正義の実現を図るという本質的な「弁護士の力」が、今改めて求められていると考えます。そこで、私たちは、弁護士の使命と役割を見つめ直し、社会の隅々にある多様な法的問題の解決に弁護士の力を生かしていくことで、市民の皆様から信頼をいただくとともに、誰一人取り残さない世界の実現に努めていきたいと考えます。この目標に向け、私たちは、次のような取組を進めてまいります。

① 人権課題への対処

-基本的人権を擁護し、社会正義を実現すること-は、弁護士法に明記された私たち弁護士の使命です。当会では、子ども、高齢者、障がい者、外国人、女性や性的少数者などぜい弱な立場にいる方々の人権問題や、環境、消費生活、犯罪被害、災害、貧困、労働、医療、情報、刑事手続など様々な社会的事象における人権課題について、積極的な取組を進めます。
 昨年、成年年齢が18歳に引き下げられました。また、近時、離婚時の共同親権の問題など、家族に関する法制度の大きな改正が議論をされています。当会では、より良い家族・社会のあり方を目指して、こういった制度の在り方について適宜に意見を発出するとともに、法改正後に生じる問題についても、適切に対応をしていきます。

② 法律相談窓口の充実

当会では、市民の皆様と弁護士をつなぐ接点として、総合法律相談センターを設置し、大阪府内6か所で常設相談所、9か所で巡回相談所を運営しています。同センターでは、法律相談、弁護士紹介、刑事当番弁護士など、さまざまなサービスを提供していますが、WEB相談をより利用しやすいシステムにしていくなど、市民の皆様にとってアクセスしやすく、利用しやすい工夫を重ねていきます。

③ 中小企業・非営利事業者支援の拡大

当会の中小企業支援センターでは、「事業承継」、「創業」、「知財」などいくつかの「お助けネット」を備えるなどし、中小企業の皆様のニーズに応えてきました。企業活動に弁護士が関与することは「攻めの経営」になることを理解いただけるよう、さらに内容を充実させ、利用いただきやすい工夫をして参ります。なお、昨年9月、政府は「ビジネスと人権」についてのガイドラインを公表しました。企業活動においても人権尊重への取組が重要となります。当会では、同ガイドラインに基づくビジネス上の人権侵害リスクの調査や改善策などで企業に助言できる弁護士を育成し、社会へ提供することに力を入れていきます。
 また、NPO法人等の非営利事業者は、社会的問題の解決に不可欠な存在になっています。当会では、これらの事業者に対する支援も拡大させていきたいと考えます。

④ 外国人相談及び救済への取組

以前から、日本に在留される外国人の方の数は増加傾向にありましたが、コロナ禍の収束とともに、外国人材の流入がさらに増加することが見込まれます。共生社会実現の視点から、外国人に対する法的サービスの必要性は益々高まっています。当会では、行政やNPO、中間支援組織と連携しながら、外国人向け法律相談の充実と、人権保護の取組を積極的に行います。また、国際化の更なる進行に対応すべく、国際的な法律問題を取り扱うことができる体制も整えてまいります。

⑤ 刑事弁護ならびに刑事法制に対する課題への対応

えん罪を防止するためには、公正な刑事裁判手続が必要です。当会は、個々の弁護士による刑事弁護活動を支援するとともに、取調べの全面可視化(取調べ全過程の録音・録画、弁護人の立合いの実現など)や不当な身体拘束への対応(勾留に対する準抗告の強化など)に引き続き取り組みます。
 また、近時、再審に関するニュースが相次いでいますが、現在の法制度は、再審に関する十分な規定をおいておらず、審理が異常に長期化する、必要な証拠の開示を受けられないなどの問題があります。えん罪はあってはならないことですが、仮にそれが生じた場合、その被害者を一刻も早く救済するため、再審法改正を求めて活動をして参ります。

⑥ 外部機関との連携強化

様々な社会的課題への対応にあたっては、行政、企業、大学、民間公益活動組織その他の機関との連携を行うことで、解決への道が開けることが多くあります。その視点から、当会は、外部機関と連携し、その関係を強化し、協働していける体制を強めていきます。また、そのためにもアウトリーチや司法ソーシャルワークを拡大してまいります。

⑦ 会員の資質の向上

弁護士は、日々の業務活動の中で、新しい法的知識や、社会的に有用な知識を得ながら、業務の質の向上に努めています。当会としても、研修の充実などによって、それを積極的に後押しし、弁護士の質の向上を図ってまいります。そして市民の皆様の弁護士に対する信頼をより強固なものとするように努力いたします。

⑧ 市民の皆様との情報受発信

市民の皆様に「弁護士の力」をもっと知っていただき、身近に感じてもらえる、そして全ての街に、全ての人に力をお届けできるように、弁護士と弁護士会の活動を広く的確に発信してまいります。また、その発信を通じて頂いた皆様からのご意見には謙虚に耳を傾けながら、市民の皆様に信頼され、受け入れられる弁護士会を目指してまいります。

ぜひとも、私たちの活動にご理解とご支援をお願い申し上げます。

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