大阪弁護士会の活動
男女共同参画への取組み
どうして弁護士会に「男女共同参画」?
「男女共同参画」は言うまでもなく、法律で定められた理念であり、企業や行政・自治体は、すでに当たり前のものとして取り組まれています。
当然、弁護士も、社会の一員として、また社会の模範として、男女共同参画に取り組まなければなりません。
ところが、現在、女性弁護士の人数は増加傾向にあるものの、全体数の割合からすればまだまだ少なく、例えば大阪弁護士会の場合、女性弁護士の割合は約16.6%(2013年4月現在)となっています。ということは、弁護士会の運営や政策・方針決定に関わる女性弁護士の割合も少ないわけで、女性弁護士の意見が十分に反映されない危険があるのです。
そこで、あらためて「男女共同参画」という理念を弁護士会内にしっかり浸透させるため、具体的な取り組みを担当する男女共同参画推進本部が2008年に設置されました。
人権や社会正義のために活動している弁護士が、男女共同参画の面では遅れているということではいけませんので・・。
男女共同参画推進基本計画に基づいて活動しています!
大阪弁護士会が男女共同参画に取り組むにあたって、その具体的な目標を設定するために「大阪弁護士会男女共同参画推進基本計画」が策定されています。
基本計画は次のような柱で構成されています。
- 弁護士会活動や政策・方針決定への女性弁護士の参加を推進する
- 女性弁護士の活動領域を拡大する
- 弁護士のワーク・ライフ・バランスを支援する
- 性別による差別的取り扱いを解消し、被害に対して適切・迅速に対応する
- 男女共同参画の意識を啓発するための研修・広報を行う
大阪弁護士会の男女共同参画推進本部は、この基本計画にしたがって、具体的に活動しています。
男女共同参画に関する取り組みの一例
- 弁護士会の理事者(会長・副会長)や各種委員会の正副委員長に女性弁護士ができるだけ輩出・推薦されるよう、会内に啓蒙しています。
- 弁護士会の運営に女性弁護士の意見が反映されるよう、年1回、会長が複数の女性弁護士から直接意見を聞く会合を開いています。
- 女性弁護士に対する市民のニーズに適切に応えるために、弁護士が複数所属する一定規模の法律事務所に対しては、所属する女性弁護士が一定の割合となるよう、呼びかけています。
- 弁護士のワーク・ライフ・バランスを支援するため、出産・育児による会費減免制度を設け、また、出産・育児・介護による休業に関し、参考となる情報提供のためのハンドブックを作成し、弁護士会員に配布しています。
- 研修やシンポジウムを開催する場合に1階「キッズルーム」において一時保育サービスを提供し、会館内に弁護士が利用できる子育て支援室(通称「はぐはぐ」)も開設しています。
また、会館1階の総合法律相談センターを訪れるお子様連れのご相談者にもゆっくり落ち着いてご相談いただけるよう、ご相談時間中、お子様を無料で「キッズルーム」においてお預かりする一時保育サービスも実施しています。(「キッズルーム」の隣には授乳室も完備しています)。
- 弁護士が性別による差別的取扱いを行った場合、被害に対して迅速かつ適切に対応できるよう、苦情相談窓口を設けています。
- 男女共同参画について意識を高めるため、会内研修のほか、市民公開講座(講演会など)を開催しています。
会内研修、一般公開講座(講演会など)の例
- 上野千鶴子氏(東京大学名誉教授 「おひとりさまの老後」著者)
「ジェンダー概念と法」 - 瀬地山角氏(東京大学大学院教授 「お笑いジェンダー論」著者)
「お笑いジェンダー論~ワーク・ライフ・バランスを考える~」 - 竹信三恵子氏(元・朝日新聞編集委員、現・和光大学教授)
「企業等による女性の活用」 - 前川直哉氏(灘中学・高等学校教諭)
「『男の絆』とジェンダー・セクシュアリティ~この国は、巨大な男子校!?~」 - パトリック・ジョセフ・リネハン氏(大阪・神戸米国総領事館総領事)
「セクシュアル・マイノリティ-多様性を認める社会をめざして-」 - 青野慶久氏 (サイボウズ株式会社代表取締役社長)
「経営戦略としてチームで組織を強くする方法~多様な個性を尊重する社会とともに~」
大阪弁護士会月報連載「オヤジ倒れる~あるボス弁の介護奮戦記~」
男女共同参画推進本部では、世代を問わず、ワークライフバランスを自身にも関係あるテーマとして感じてもらうため、突然親の介護を担うことになったある男性ボス弁(経営者弁護士)と、0歳児を育児中のワケあり男性イソ弁(勤務弁護士)のドタバタ奮戦記を執筆し、大阪弁護士会会報に連載しました(2018年8月号から2019年1月号まで)。