大阪弁護士会の活動
男女共同参画への取組み
私たちは前進します
「男女共同参画」は言うまでもなく、法律で定められた理念であり、企業や行政・自治体は、すでに当たり前のものとして取り組まれています。
当然、弁護士も、社会の一員として、また社会の模範として、男女共同参画に取り組まなければなりません。そこで、「男女共同参画」という理念を弁護士会内にしっかり浸透させるため、具体的な取り組みを担当する男女共同参画推進本部が2008年に設置されました。2009年には第一次男女共同参画推進基本計画が策定されました。
現在、女性弁護士の人数は増加傾向にあるものの、全体数の割合からすればまだまだ少なく、例えば大阪弁護士会の場合、女性弁護士の割合は約19.7%(2025年4月現在)となっています。このように女性弁護士の割合が少ないという状況で、大阪弁護士会で女性の理事者が一定割合に達しないと、弁護士会の運営や政策・方針決定に女性弁護士の意見が十分に反映されない危険があります。
そこで、私たちは、大阪弁護士会で理事者の一定割合が女性となるよう取り組むなどの努力を続けると共に、女性弁護士の割合を増やすための取組みも行っています。
男女共同参画推進基本計画に基づいて活動しています!
男女共同参画推進基本計画には、大阪弁護士会が男女共同参画に取り組むにあたって、具体的な目標が設定されています。この計画は、5年ごとに見直され、現在は第四次基本計画に基づいて、活動をしています。
第四次基本計画は次のような柱で構成されています。
- 弁護士会活動や政策・方針決定過程への女性弁護士の参加を推進する
- 女性弁護士に対する差別を是正し、活動領域を拡大・開発する
- 弁護士のワーク・ライフ・バランスを支援する
- 性別による差別的取り扱いを解消し、被害に対して適切・迅速に対応する
- 男女共同参画の意識を啓発するための研修・広報を行う
男女共同参画に関する取り組みの一例
- 弁護士会の理事者(会長・副会長)や各種委員会の正副委員長に女性弁護士ができるだけ輩出・推薦されるよう、会内に啓蒙しています。
- 弁護士会の運営に女性弁護士の意見が反映されるよう、年1回、会長が複数の女性弁護士から直接意見を聞く会合を開いています。
- 女性弁護士に対する市民のニーズに適切に応えるために、弁護士が複数所属する一定規模の法律事務所に対しては、所属する女性弁護士が一定の割合となるよう、呼びかけています。
- 弁護士のワーク・ライフ・バランスを支援するため、出産・育児による会費減免制度を設け、また、出産・育児・介護による休業に関し、参考となる情報提供のためのハンドブックを作成し、弁護士会員に配布しています。
- 弁護士が性別による差別的取扱いを行った場合、被害に対して迅速かつ適切に対応できるよう、苦情相談窓口を設けています。
- 男女共同参画について意識を高めるため、会内研修のほか、市民公開講座(講演会など)を開催しています。
会内研修、一般公開講座(講演会など)の例
- 前川直哉氏(灘中学・高等学校教諭)
「『男の絆』とジェンダー・セクシュアリティ~この国は、巨大な男子校!?~」 - パトリック・ジョセフ・リネハン氏(大阪・神戸米国総領事館総領事)
「セクシュアル・マイノリティ-多様性を認める社会をめざして-」 - 大内章子氏(関西学院大学 経営戦略研究科ビジネススクール 教授)、山田実和氏(積水ハウス株式会社執行役員 ESG経営推進本部 ダイバーシティ推進部長)、盛岡美菜氏(フューチャーアーキテクト株式会社 人材戦略グループ ディレクター)
「いま、育休を考える~みんな主役の働き方をめざして~」 - 岸畑聖月氏(株式会社With Midwife 代表取締役 / 助産師)
「『はたらく』に寄り添う 多様化した職場のマネジメント」 - 清田隆之氏(桃山商事)、柴田悠氏(京都大学総合人間学部教授)
「父親育児が家族・社会を変える!~当事者に聞く現状と課題~」 - 清永聡氏(NHK解説委員)
「『はて?』からはじまる多様な社会 ~『虎に翼』が教えてくれたこと~」
※講師の方の肩書は、講演当時のものです。
大阪弁護士会月報連載「オヤジ倒れる~あるボス弁の介護奮戦記~」
男女共同参画推進本部では、世代を問わず、ワークライフバランスを自身にも関係あるテーマとして感じてもらうため、突然親の介護を担うことになったある男性ボス弁(経営者弁護士)と、0歳児を育児中のワケあり男性イソ弁(勤務弁護士)のドタバタ奮戦記を執筆し、大阪弁護士会会報に連載しました(2018年8月号から2019年1月号まで)。なお、各記事のデータは連載当時のものです。