弁護士に国際ロマンス詐欺、投資詐欺、債務整理等を相談・依頼をするみなさまへ(相談・依頼の際にご注意ください!)
インターネットやTV、ラジオ、新聞の弁護士(法律事務所)による広告の中には、国際ロマンス詐欺事件、投資被害詐欺事件や、債務整理事件の相談を検討する方に過度な期待や誤解をさせているものがあります。
このような広告は、弁護士法や日本弁護士連合会の関係規定(弁護士職務基本規程、 弁護士等の業務広告に関する規程、 業務広告に関する指針および 債務整理事件処理の規律を定める規程等)に違反するおそれがあります。
弁護士に相談や依頼をするときには、実際に面談を行うことが大切です。
面談では、詐欺の被害状況や、債務・資産・収入・生活の状況を弁護士に伝えてください。
また、被害回復できるかどうかの見通し、複数ある債務整理の手法のそれぞれのメリットやデメリット、その他疑問と思われることを弁護士に直接お尋ねください。
依頼後も、弁護士から、依頼した事件の報告が適時適切に行われているか、ご確認ください。
弁護士に相談したり、依頼したりする際には、以下の観点に注意いただき、「相互に信頼できる関係」を築くことがとても大切です。
弁護士の業務広告について
弁護士の広告は、「事実に合致していない広告」「誤導又は誤認のおそれのある広告」「誇大又は過度な期待を抱かせる広告」が禁止されています(弁護士等の業務広告に関する規程3条)。
次のようなインターネット広告を用いて全国から依頼を募る問題事例が見られます。
これらの広告には、以下のような問題があります。
債務整理事件を取り扱う弁護士の広告について
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「借金減額診断」「減額シミュレーター」などのタイトルで、シミュレーションさせる広告
借入件数や金額などの簡単な質問や入力させるだけで、どのような情報を入力しても同じ結果が表示され、具体的な根拠もなく、「借金を減額できる可能性があります。」と案内するものがあります。
入力の際には、個人情報も求められます。
このような広告は、誇大であったり、相談者に過度な期待を抱かせて、債務整理の依頼を勧誘するという問題があります。 -
「国が認めた借金救済制度」と表現する広告
具体的にどんな制度のことを指しているのかも説明がありません。
破産や個人再生という広く知られた制度に触れずにこのようなフレーズを用いることは、まるで破産や個人再生のほかに自分の知らない特別な制度があり、簡単に借金の減額ができるような誤解をさせるという問題があります。
国際ロマンス詐欺事件・投資詐欺事件を取り扱う弁護士の広告について
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過去の解決例として、高額の回収ができたとする架空の事例が表示される広告
事実に合致せず、その事例と同じような良い解決ができるという誤解を生じさせるという問題があります。
国際ロマンス詐欺や投資詐欺では、十分な回収ができることはそれほど多くはありません。 -
広告では、「LINEで相談」と表示されているが、実際には、法律事務所の事務職員がメッセージを作成しているケース
弁護士が対応していないという問題があります。
国際ロマンス詐欺事件・投資詐欺事件を取り扱う弁護士の広告の問題点については、こちらのページもご覧ください。
依頼する弁護士との直接面談について(特に債務整理事件)
インターネットやラジオの広告で全国から依頼者を募り、債務整理事件を大量に受任しようとする弁護士(法律事務所)があります。
このような弁護士の中には、「受任の際の直接面談義務」に違反していることがあります(債務整理事件処理の規律を定める規程3条)。
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電話やビデオ電話、オンラインツールによる会話をしただけでは、「面談」をしたことにはなりません。
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例外として、面談することが難しい「特段の事情」があるときは、受任が先行することも認められています。
しかし、このような場合でも、その特段の事情がなくなった後、速やかに弁護士自らが面談をする必要があります。 -
単に、遠方であるというだけ、または、コロナが流行しているというだけで、「特段の事情」があると認められるわけではありません。
個別の判断が必要となります。
一部の弁護士による不適切な事件処理について
インターネットやラジオの広告を使って、全国から国際ロマンス詐欺事件・投資詐欺事件や債務整理事件を大量に受任する弁護士(法律事務所)が不適切な事件処理を行う問題事例が報告されています。
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弁護士とは依頼するときに挨拶程度の面談をしただけで、その後は一度も話をしていない。
そもそも担当弁護士が誰かわからない。
打合せはほとんどが事務員との電話やメール、LINEのメッセージだけである。 -
依頼者の資産、収入、生活状況によれば、自己破産という選択肢も検討すべき事案なのに、自己破産と任意整理のメリット・デメリットの説明もなく、任意整理が選択されている。
その結果、依頼者の家計収支に見合わない金額で、毎月の支払額が決められている。 -
弁護士に支払うお金が、弁護士報酬なのか、債権者への支払の原資なのか、裁判所に支払う破産申立費用なのか、よくわからない。
下記のとおり、日弁連及び各弁護士会においても注意喚起を行っていますので、以下のリンクよりご参照ください。
(ご参考)日弁連及び各弁護士会における注意喚起
https://www.nichibenren.or.jp/activity/human/consumer/01.html