今日は契約書にサインをするときにご注意いただきたい点についてお話します。
契約書を作らなくても,口約束でも契約は成立します。
契約書等の書面を作成するのは,契約した内容を証拠として残しておくためです。
契約書以外では,覚書,示談書,合意書,協議書などのタイトルが使われることがありますが,契約内容について定めている場合,これらはいずれも契約内容の証拠として同じ性質を持ちます。
契約書の中には分量が多く内容が複雑なものもあり,現実にはいちいち内容を読んでいられないときもあります。
特に,企業があらかじめ契約条項を定めた「約款」については,分量が大きく,契約の度に細かく内容を確かめるのはほとんど不可能です。
それでも,不動産や保険に関する契約書や,離婚に関する協議書,交通事故の示談書など,金額の大きいものや大切な契約に関するものは,その都度内容をよく確かめるべきです。
紛争になった場合,裁判所は当事者が契約書等の書面に署名をしていれば,基本的にはその内容を了解して署名したと判断することが多く,よく分からないまま署名した契約書でも,契約を無効であると認めてもらうのはなかなか難しいからです。