友人や知人と撮影した写真 FBにアップする注意点は-<法律のツボ>
自分自身の個人情報でも注意を
Q.私は大学生です。今度、フェイスブック(FB)を始めようと思っています。ですが、個人情報をインターネットに出すことでさまざまなトラブルがあるとも聞きます。
友人や知人と撮影した写真を勝手にFB上にアップすると、訴訟ざたに発展することもあるのでしょうか。詳しく教えてください。
A.フェイスブックは世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で、世界で10億人以上、国内で1000万人以上が利用しています。実名登録が原則で、出身地や居住地、勤務先、家族構成、写真などさまざまな個人情報を公開する人も少なくありません。
とはいえ、10人に1人が利用している状況では、もはや何でもかんでも個人情報をFBで無制限に公関することは危険と言えます。
たとえ、公開範囲を「友達の友達」に制限しても、友達を1人平均50人とすれば、50×50=2500人の多人数が閲覧可能となります。
また、最近では全く見知らぬ人間が友人の名をかたり、友達申請してくる現象も起きています。
このように自分自身の個人情報でも注意が必要ですから、他人を撮った写真をアップする際はより慎重さが必要です。
例えば、あなたの彼女の元彼がストーカー化して彼女を付け狙っていた場合、彼女の写真をアップすることで居場所を知られ、彼女の身を危険にさらすことになってしまいます。
また、友人男性が奥さんにうそをついてあなたと遊んでいた場合、写真をアップすることで友人を家庭内で窮地に追い込むことになるかもしれません。
そうなると、彼女や友人は、どうして勝手に写真をアップしたのかとあなたの責任を追及してくる恐れがあります。
そこには、プライバシーの問題があります。
プライバシー権とは、私生活をみだりに公開されない権利のことです。写真をアップして人のプライバシー権を侵害すれば、慰謝料などの損害賠償を求められる可能性がないとも言い切れません。
友人や知人との写真をアップする際は、一言断っておくのが無難でしょう。
<回答・村上覚朗弁護士(大阪弁護士会所属)>
2013年8月3日 毎日新聞大阪版朝刊掲載