2010年4月6日 (火)
注文した?してない?
かつて私が家電会社の営業職員だった頃の話です。
私が担当していたある雑貨店から、テレビの注文を受けました。
販売店への納品の場合、通常、エンドユーザーへの設置は店側で行うのですが、この時は販売店の社長(営業の現場では、個人経営であっても社長と呼びます)から、販売先が大事な客なので設置までやって欲しいと頼まれました。
しかし、こちらで設置すると、サービス部門の社員が出張することになるので、料金が発生しますよと説明したのですが、構わないからやってくれとの注文でした。
ところが後日、料金の請求書が送られた段階になって、社長から、テレビを設置するだけで金を取るのかと理不尽なクレームが来ました。だから説明したでしょうと言っても知らんと言い出して、目の前で請求書を破り捨てる始末でした。
弁護士としては、そういう場合は注文のFAX1枚でも取っておけば、とアドバイスするところですが、現場では、特に日常継続的に取引のある相手方の場合は、口頭でのやり取りが慣習化していることも多いですよね。上記もそういった場面でした。
しかし、仮に話がこじれて訴訟にでもなれば、やはり書証があるのとないのでは大きな違いになりますし、訴訟までいかないにしても、書面が1枚あれば、言った言わないが明確になり、未然に紛争を防止できることも多いと思います。
継続的な取引先であっても、「うちはこれが無いと処理できないんですよ」などと言って、文字通りFAX1枚でもいいので、注文書や納品書などは常にもらっておきたいものですね。