2015年6月18日 (木)
とある青果店で
とある青果店で、おじさんがお客に、「はいっ!奥さん、大根一本150万円!」。
とある居酒屋では、幹事が「今日の飲み会の会費は一人3500万円やで」。
どちらも大阪では珍しくないやり取りである。
しかし、冗談ではなく、これ以上のやり取りが現実の国がある。
今年6月11日、天文学的インフレのため、ジンバブエの通貨であるジンバブエドルが公式に廃止されたようだ。
なにしろ、1円=3京ジンバブエドルである。大根一本買うのにトランクいっぱいに詰めた
紙幣でもかえるかどうか。10兆円紙幣などというものまであるようだ。
このニュースを見て、先日友人らと旅行したカンボジアを思い出した。
日本の平安時代のころ建立されたアンコールワット遺跡群の高度な文明に感嘆し、
ポルポト政権時代の知識人等100万人以上の国民の大虐殺という悪夢のメモリアルに息詰まった。
しかし、それに加えて、印象に残ったのは、通貨リエルだった。
旅行中は全部米ドルで事足りた。
しかし、それは私たちが観光客だからということではなく、カンボジア市民の間でも米ドルが普通に使用されていて、更にはリエルで買うほうが割高になる場合がある。
要は、自国の通貨より米ドルのほうが、国民に信用されているということだ。
内戦終了後2.30年ほどしかたっていないので仕方ないかもしれないがまだ国が不安定だということである。
国民が国の発行する通貨を信用できない、世界ではそんなところがまだたくさんあるのだろう。
「おつり300万円、どうぞ――」。シャレのままでとどめたい。