ほめる技術、叱る技術
大阪弁護士会では、子どもの権利委員会に所属しています。
本当は、子どもの福祉や学校問題、少年事件に興味があるのですが、なかなか実際に取り組む機会を作らずに今に至っています(当番出動をきっかけに1件の少年事件を担当している他は、大阪府の某施設の指定管理者選定委員会の委員に推薦いただいたくらいです。思いがけず委員長という重責を担っています・・・)。
そんな隠れ委員ですが、子どもの権利委員会のMLに興味深い投稿がありました。
「叩かず甘やかさず子育てする方法」という本のご紹介でした。
この本を手にとって読むには至っていないのですが、MLのご紹介文の中に面白い調査事例が引用されていました。
概要はこうです。
まず、小学校低学年の子どもたちに簡単な問題を解かせます。
すると、ほとんどの子どもがよい成績をとります。
よい成績をとった子どもたちを2つのグループに分けて、ひとつのグループの子どもたちには「あなたは頭がいいね」とほめ、もうひとつのグループの子どもたちには「よく頑張ったね」とほめます。
次に、最初の問題よりも少し難しい問題を出して、それに挑戦してみたいかどうかを聞くと、「頭がいい」とほめられたグループの子どもたちにはやりたがらない子が多く、「頑張ったね」とほめられたグループの子どもたちには挑戦してみる子が多かった、というのです。
「頭がいい」とほめられた子どもにとっては、自分に解けない問題がある(かもしれない恐怖?←僕の勝手な解釈です)という現実を受け入れにくいらしいとの分析に至っているようです。
確かに、結果ではなく努力した過程もほめてもらえると、結果を恐れずにさらに挑戦してみようという気持ちが起きやすいと思いますが、反対に、当然の結果が出ただけとでも言わんばかりのことを言われれば、せっかくほめてもらっていてもどこか次の結果に対する恐怖心が出てきてしまうように思います。
本書に実際に当たる前ではありますが、上記のようなほめ方、叱り方のスキルが満載の本とのことですので、是非読んでみたいと思っています。
言葉ひとつ、対応ひとつで周囲の人の反応や行動が変わってくるというのは、子育てに限ったことではないでしょうから、事務所経営にも役立つかもしれませんね。
ちなみに、僕自身のことを振り返ってみると、もちろん両親には深く深く感謝しており、何の不満もありませんが、ことあるごとに「勝って兜の緒を締めよ」とたしなめられていたことには昔から抵抗を感じていました。
「現状で満足しないでさらに頑張って」という趣旨であることはよく理解していたつもりでしたが、どこまで行っても、どこか、ほめてもらえた、これでよかったんだという満足、実感が得られず、さびしい思いをしてきたことを思い出します。
なので、僕は自分の子どもにはその言葉を使わないようにしようと思っているのですが、本書を参考に、さらに考えたいと思います。