離婚調停「申立ての動機」13類型
某ラジオ番組の法律相談の回答原稿の下調べで,離婚調停の際に提出する「夫婦関係調停申立書」に記載の「申立ての動機」13類型について,司法統計上の分布を調べてみました。
「申立ての動機」13類型とは,具体的には,
1.性格が合わない,2.異性関係,3.暴力を振るう,4.酒を飲み過ぎる,5.性的不調和,6.浪費する,7.異常性格,8.病気,9.精神的に虐待する,10.家族を捨てて省みない,11.家族親族との折合いが悪い,12.同居に応じない,13.生活費を渡さない,14.その他,
のうち,14.を除く13類型です。
直近の司法統計年報では,平成21年(2009年)に申し立てられた婚姻関係事件のうち,夫婦別の申立ての動機トップ3は,以下のとおりです。
なお,申立ての動機は,申立人が主張する動機のうち主なものを3個まで挙げる方法で調査の上,重複集計されていますので,申立て総数を分母として計算した動機ごとの%の合計は,もちろん100%を超えてきます。
夫からの申立てでは,
1位 性格が合わない 61.4%
2位 異性関係 17.9%
3位 家族親族との折合いが悪い 15.5%
妻からの申立てでは,
1位 性格が合わない 44.2%
2位 暴力を振るう 29.4%
3位 異性関係 25.5%
となっています。
夫,妻いずれからの申立てでも,「性格が合わない」と「異性関係」は上位に入っていますが,夫3位の「家族親族との折合いが悪い」は妻では11位(8.9%)に,妻2位の「暴力を振るう」は夫では9位(7.3%)に止まっている点に特徴があります。
なお,これらトップ3は,10年前の平成11年(1999年)も,20年前の平成元年(1989年)も,%の数字こそ異なりますが,夫,妻いずれについても,順位もそのまま維持されていますので,今後この傾向が劇的に変わることはなさそうです。
わが国の離婚原因の特徴を考える上でも,自らの夫婦円満の秘訣を考える上でも,とても興味深い統計だと思いますが,いかがでしょうか?
この異性関係は、項目が同じでも、男性と女性では申し立ての理
この異性関係は、項目が同じでも、男性と女性では申し立ての理由が異なりませんか?
男性は主に、自分が新しい女ができたから離婚したい。
女性は主に、夫が浮気したから離婚したい。
じゃないでしょうか。もちろん全部ではないでしょうが。
自分の異性関係か相手の異性関係かを分類してくださらないと、
真相が分からないし、夫婦円満の秘訣を考えるヒントにも成り難いと思います。
コメントありがとうございます。
新しいコメントの投稿