異動の季節
何かと気忙しい年度末ですが、桜の便りも届き始め、季節は春、異動の時期です。
転勤のような異動とはほとんど縁がない我が業界ですが、そんな弁護士でも異動にそわそわすることがあります。
自分の異動についてではありません。
裁判官の異動についてです。
裁判係属中、このまま進行すればこちらの主張を受け入れてくれそうな裁判官であれば、「どうか異動してくれるな。まだ当地に3年しかいないじゃないか。」と思います。
反対に難しい進行を余儀なくされている裁判であれば、「どうか異動してはくれまいか。もう当地に3年もいるじゃないか。」と流れが変わることに妙な期待をしてしまうこともあります。
もちろん裁判所・裁判官は公平・公正で各人で区々の判断になることなどないはずですが、事の真偽・評価が微妙なケースであれば、弁護士としても担当裁判官が変わるか変わらないかに興味を持たないわけにはいきません。
また、裁判官には、立つ鳥跡を濁さず、渡り鳥よろしく、自分が異動する前に担当事件をきちんと片付けてしまおうという責任感の強い方が多いようで、異動前に和解による早期の解決を強く勧めてくる裁判官もいるとかいないとか…
2月くらいの思わぬタイミングで今までになく心証を開示して和解を強く勧める裁判官がいるので、ひょっとするとこの方は異動を控えてるんじゃないかと思っていたら、案の定、異動された方もおられます。
多くの民事訴訟は判決まで至らずに和解によって適正な解決をみることがあります。
弁護士としても和解解決の可否・タイミングはいつも見計らっていますが、その考慮要素のひとつに裁判官が異動するかどうかということもあるような気がします。
異動、年度末、年度初めに伴い、裁判所や企業といった組織は何かと落ち着きませんが、そんな中でも依頼者の適正な権利を早期にきちんと実現できるよう、弁護士は他人の異動を横目に見なければいけません。
すっかり暖かくなったかと思えば、急に寒々しかったりする、不安定な時期です。
お役御免になったかと休んでいたらスクランブル発進を命じられたりする、コートにとっても迷惑この上ない時期かもしれません。
弁護士にとって“コート”の行く末が気になる季節です。
異動
裁判官が異動され、4月早々尋問が入っています。
異動前よりはいいかなと思いますが・・・。
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