我が家の坊っちゃんと「坊っちゃん」
先月1歳になったばかりの我が息子は、今日も元気に暴れまくっています。
可愛いながらも、それに1日中付き合う母親は本当に大変ですね。
子育てなどというものは、何も珍しいことではなくて、世の中にありふれていることのはずなのに、こんなにも特別で楽しくて大変なものだとは思ってもいませんでした。
我が家は、両方の実家が遠方なので、おじいちゃん、おばあちゃんに孫の顔を見せることも簡単ではありませんし、その援助を受けることも難しいです。
子どもと僕の面倒を見てくれる奥さんに感謝の日々です。
実家の話を出しましたが、僕の出身地は、福島県の会津若松市です。
大阪弁護士会でも珍しい東北出身者ということになります。
ふと思い出しましたが、夏目漱石の「坊っちゃん」にも会津の出身者が登場します。
山嵐です。
「坊っちゃん」は、江戸っ子の主人公と会津っぽ(会津人のことをこう呼びます)の山嵐が友情を深め、最終的に赤シャツとその腰ぎんちゃくの野だいこに一矢報いるお話ですが、これは、江戸と会津という旧い時代の勢力と赤シャツやその腰ぎんちゃくという新時代の勢力との対比の構図にあるともいわれているようです。
赤シャツという似合いもしない服を無理に着たような人物は、なりふり構わず急速な西欧化を進める当時の日本を象徴しているようにも思えます。
江戸っ子だった漱石は、当時の日本の急激な西欧化の流れに違和感を抱いていたのかもしれません。
ただ、皆さんご存じのとおり、「坊っちゃん」は単純な勧善懲悪の物語ではありません。
坊っちゃんも山嵐も復職することなく学校を去りますし、赤シャツ一派がその地位を失うわけでもありません。
それでも不思議とすっきりした気分で読み終えられる辺りが漱石の漱石たるゆえんでしょうか。
会津っぽとしては、いろいろと考えさせられもする名作だと思います。
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