2011年2月23日 (水)

今日は講演をしてきました

 

が,講演の話ではなく,

その行き帰り等で1冊本を読みました。

その本の話です。

 

 「デフレの正体」と題された新書で,30万部を突破したと宣伝もされていたので,既に読んだよという方が多いかもしれません。

 

 この本の内容の是非はちょっと横に置いておきまして,読んでまず思ったことは,文章の展開が,我々が裁判をする際に裁判所に提出する書面に似ている,ということでした。

 著者いわく,現在のデフレ,すなわち供給過多による商品単価の下落を招いているのは,消費に直結する生産者人口の減少であるとのことです。

 かかる著者の持論を論証すべく,この本では,公表されている統計という動かない数字=事実から持論を導きつつ,想定される様々な反論に対してはかかる数字等を出して論破しています。

 我々が裁判をする際に裁判所に提出する書面も,簡単にいうと,顧客の主張について動かないと思われる事実を適示して,主張を根拠づけます。

 そして,相手方からの反論については,さらに顧客の主張に有利にとれる事実を持ち出して反論するわけです。

 最終的に,裁判所から,どっちの主張が正しいかを判断してもらいます。

 

 この仕事をしておりますと,著名な経済評論家の書いた文章を読んでも,容易に論理の飛躍を発見したりして,記載の有意性に疑義を持ったりします。

 この本は,全体としては筋のとおった論理が展開されており,非常に読み易く,著者の持論が論証されているのでした。

 そのため,読んでいても,少なくともデフレの正体について著者の持論の展開までは,なるほど~と思いながら読み進めたのでした(もちろん,経済学を専門にされている方からすれば,穴がある論理展開なのかもしれません。あくまでも普通のビジネスマンとしての視点からの感想です)。

 

 では,生産者人口減少による内需縮小に歯止めをかけるにはどのようにすれば良いのか。それについては,まだ読んでいないかたはご自身でご確認いただけたらと思います。

 もちろん,私自身は著者とは何の縁もなく,出版社からも何の利益も享受しておりません・・・。

 

 

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