2010年2月25日 (木)

変革のとき

現政権は,「官僚主導から政治主導へ」と言っています。

 

明治以来,官僚が国を動かしてきたと言っても過言ではない日本で,

脱官僚主導を旗印にした政権は珍しいのではないでしょうか。

これに限らず,昭和20年の敗戦から65年を経て,

絶対的だと思われてきた価値観が徐々に見直されているような気がします。 

日本社会全体が,けっして急激ではありませんが,

大きな,「変革」の時期にさしかかっているのではないでしょうか。


弁護士業界も,合格者の増員や隣接士業の同業参入

(過払金のコマーシャルを見てください)など,ここ10年間で,

大きく様変わりしつつあります。

こうした変動期では,既存の概念や利益が壊されるわけですから,

当然に摩擦が生じます。

 

弁護士会も揺れています。

図式化していえば,ここ十数年来推し進めてきた「司法改革」は

間違いだとか行き過ぎだとしてマイナス評価する意見と,

これを押し進めようとする意見の対立です。


みなさんご存知の司馬遼太郎の小説「翔ぶが如く」は,

明治創成期の「官」と「旧士族」の対立を描いた作品と

見ることもできると思います。

 

明治維新で既得権益を失った武士階級の新政権に対する

恨み・反感はどれほど強烈なものだったのでしょう。

沸々とした不満エネルギーが充満し,最後は薩摩が火を噴きます。

明治国家は,激動の10年を経てようやく近代国家としての道を

歩み始めたと捉えられなくもないでしょう。


だれでも変革は嫌です。私も正直,嫌です。

ただ,ある業界が,漫然と同じ事を続けていって

生き延びられるほど現代社会は甘くないのでしょう。

どこかで,なんらかの変革(改革といった生易しいものではなく

もっと大きな変化)が必要になるのでしょう。

 

もちろん,その変革の内容やスピードが問題なのですが,

弁護士・弁護士会は,そうした変化に柔軟に対応し,

市民のみなさんの理解を得ながら,歴代の先輩方が築いてきてくれた

弁護士への高い評価を発展させていく必要があると思うのです。

 

そのために,弁護士はテレビに出たら良い。

政治家にもなったら良い(国会だけでなく地方議会も)。

民間企業にも浸透していく。

どんどん世間に出て行って,みなさんにとってさらに身近な存在に

なれれば良いと思います。

 

このブログも,ささやかですが,その方法の一つだと思っています。
登録10年目弁護士の放言でございました。
 

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