無料オンラインゲーム-トラブルに巻き込まれたら-<法律のツボ>
Q 携帯電話をインターネットに接続して遊ぶ「無料オンラインゲーム」を巡るトラブルが相次いでいるそうです。もし、そうしたトラブルに巻き込まれた場合、どうすればいいのでしょうか。
A 近時、スマートフォンの普及に伴い、オンラインゲームを利用する人が増えています。これは、ゲームソフトをダウンロードして利用者登録を行えば遊ぶことができ、基本的な機能が無料であることが多いです。しかし、アイテムなどの入手は有料で、実際にはアイテムを購入しなければゲームを有利に進めることができない、というゲームが多いのが実態です。また、一旦利用登録すれば、電話代金と一緒に支払ったり、親のクレジットカード番号を利用したりして、比較的簡単に決済ができてしまいます。このため、子供が親に無断で有料アイテムを次々と購入し、高額の請求が親の元に突然届く、というトラブルが生じています。
通常、未成年者の子供が法定代理人である親の同意を得ずに行った契約は、取り消せるのが原則です。ですから、子供が親に無断で行ったオンラインゲーム会社との契約についても取り消しを主張できます。ただし、例外もあります。有料ゲーム利用の申し込み画面上で「未成年者の場合は親権者の同意が必要です」といった表示をしていたのに、子供が故意に虚偽の年齢や生年月日を入力していた場合には、取り消しができない可能性があります。
そのほかにも、突然アカウントを停止されるなど利用会社とのトラブル、ゲーム内の仮想通貨を利用者間で現実の通貨で売買するRMT(リアルマネートレード)を巡るトラブル、誹謗中傷などの利用者間のトラブルもあります。
このような問題に対応するため、ソーシャルゲーム協会や日本オンラインゲーム協会がガイドラインを策定するなど、業界団体による自主規制が進んでいます。また、消費者庁は、今月3日付で「消費者が実行すべきポイント~『ソーシャルゲーム』『口コミ(サイト)』『サクラサイト』について~」を公表しました。ここにも記載されている通り、トラブルに巻き込まれたら最寄りの消費生活センターに問い合わせて相談を受けることが望ましいと考えます。
〈回答・松井良太弁護士=(大阪弁護士会所属)〉
2013年4月13日 毎日新聞大阪版朝刊掲載
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