同級生がいじめ被害 私も遭うかも-<法律のツボ>
まず先生や校長に伝える
Q.中学校のクラスメートの男子生徒がいじめに遭っています。
同じクラスの男子生徒数人にノートを破かれたり、上履きに牛乳を入れられたり……。
私もいじめられるかもしれないので、怖くて何も言えません。どうしたらいいのでしょうか。
A.いじめの現場を見たら、まずは先生や校長らに伝えましょう。
学校はいじめがあることを知ると、学校全体で問題を共有し、対応することになっています。いじめをした児童や生徒に対し、出席停止などの指導をすることもできます。
もし、先生に伝えることが難しい場合や、学校がきちんと対応しそうにない場合には、自治体の教育委員会に相談するという方法もあります。
教育委員会はいじめの報告を受けると、調査して学校を指導します。
それでもいじめがなくならない場合には、弁護士ら専門家に相談してみてください。
弁護士は学校との間に入ってあなたの要望を伝えるとともに、学校と協力して個々のケースで最も良い解決方法を考えます。
第三者が入ることで交通整理がされ、問題が早く解決することは少なくありません。
相次ぐいじめをなくそうと、国も動いています。
「いじめ防止対策推進法」が2013年6月に成立しました。
この法律は、「いじめ」の定義について、ターゲットになった児童らが心身の苦痛を感じているものとしました。
その上で、児童らはいじめをしてはならないと定め、いじめの禁止を明確にしました。
いじめは絶対にあってはならないものです。
いじめを受けた場合には、勇気を出して周囲に相談し、少しでも早い解決を目指しましょう。
大阪弁護士会では「子どもの人権110番」として、毎週水曜日午後3~5時、毎月第2木曜日午後6~8時に無料の電話相談を受け付けています(電話06・6364・6251)。
「子どもの味方」をキーワードに、子どもの人権問題に詳しい弁護士が待機しています。大阪弁護士会ホームページ(http://www.osakaben.or.jp/web/index.php)もご参照ください。
<回答・柳本千恵弁護士(大阪弁護士会所属)>
2013年8月31日 毎日新聞大阪版朝刊掲載
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