世間は狭い
先日、府内某所で食事をしていたときのこと。
初めて来たお店なのに、働いている方に見覚えがある。
でも、お名前は思い出せない。
誰やったかな、どこでお会いしたかな…
最近、こういうど忘れがよくあります。
よくありすぎて、ときどきヘコみます。
しばし悩んだ末、同伴者が話しかけて、ようやく判明しました。
私が過去に担当した裁判で、裁判員を務めておられた方でした。
お名前が思い出せないのも当然です。
法廷では、あくまで「裁判員◯番さん」で、そもそもお名前知らないですから。
それにしても、まさかこんなところで再会するとは。
先方は気づいておられなかったようで、お互いびっくりです。
裁判員裁判が始まって以来、今年7月末までのほぼ2年。
大阪では267件の裁判員裁判が行われたようです。
http://www.saibanin.courts.go.jp/topics/pdf/09_12_05-10jissi_jyoukyou/02.pdf
多くの裁判では、裁判員6人と補充裁判員2~3人が選任されます。
単純に掛け合わせると、府内の裁判員経験者は2100~2400人ぐらい。
今はもう少し増えているでしょう。
それにしても、大阪府の人口が約886万人ですから。
http://www.pref.osaka.jp/toukei/jinkou/index.html
裁判員候補者の母集団である有権者数だって、府内で約711万人です。
http://www.pref.osaka.jp/annai/qa/detail.php?recid=63
府内で裁判員経験者に遭遇する確率は、単純計算でも0.027%!!
これを、世間は狭い、という。
深く納得しました。
予定の時間を1時間近くオーバーして、裁判の時の話が続きました。
「あの主張はどう受け止めましたか?」とか、
「あの証拠はどの程度、信用できましたか?」とか、
「パワーポイントを使った説明は分かりやすかったですか?」とか、
お尋ねしたいことが山ほどあるのですが。
残念ながら、お互いに“自主規制”して、突っ込んだ話はなかなか難しい。
お仕事中なのに、あまり長々と引き止めるのも…という遠慮もありましたが、
やはり裁判員の守秘義務の壁が気になります。
弁護活動に対する印象や感想は、もちろん守秘義務の対象外なのですが、
突っ込んでいけば、評議の内容に踏み込んでしまうかもしれないからです。
とても参考になったのですが、突っ込み切れない。
ずっと、靴の上から足を掻いてる感じでした。
弁護活動、検察官の仕事、裁判所の審理の在り方。
これらの検証には、やはり裁判員経験者の率直なご意見、ご批判を聴くのが一番です。
裁判員経験者の守秘義務は大幅に緩和して、フィードバックの仕組みを整えるべきですね。
お薦めの強烈なお酒をいただきながら、そう考えました。
たまには真面目なことも考えます。
ともあれ、◯◯さん、ご馳走様でした。
大変美味しくいただきました。
偶然?
再会は必然なのかもしれませんね。
裁判員裁判の振り返りの機会を得た貴重な経験だと思いました!
必然!
先週,お店を再訪して,少しだけお話ししてきました。
裁判員経験者が集まっておられるネットワークをご紹介してみました。
ぜひご経験を社会に還元していただけたら,と思ってます。
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