話術の妙
先日の夜,和解書を書いていると,大学時代の友人から電話がありました。
「今,淀屋橋にいるんだけど…」
???
都内在住・在勤の彼が,なぜ平日の夜9時半に淀屋橋に?
…って,出張だっただけなんですが。
ともあれ久々の再会,連れ立って北新地に繰り出しました。
向かったのは,やはり大学時代の別の友人がマジックショーをやっているバーです。
当時から,講義の合間に(時には講義中にも)テーブルマジックをいろいろ披露してくれる彼ではあったのですが…
やっぱり,プロのマジシャンはすごいですね。
しかも,ライブは,テレビで見るのに比べて面白さが150%アップ。
小さな箱に助手の女性を閉じ込めて,ぶすぶす串刺しにするイリュージョン。
テレビのマジック番組ではおなじみですが,生で見るとびっくりします。
「箱の中ですべての串を避けられる,とんでもなく体の柔らかい人なのか」とか考えたり。
(夢が壊れるから,ごぞんじでも種明かしを書きこまないでくださいね。)
感心したのは,マジックの技術もさることながら,観客の関心をたちどころに一点に集めてしまう話術や立ち居振舞いです。
マジックの合間をつなぐ話の“間”が絶妙で,観客の集中力が途切れません。
一挙手一投足にメリハリがあってキビキビ,無駄な動きがないから,雰囲気がダレません。
素人の私が,ショービジネスのプロを褒めるのも,おかしな話ですが。
刑事裁判では,どれだけ説得力のある主張であっても,裁判官にきちんと伝えられなかったら採用されません。
特に,裁判員裁判では,後から書面を提出して主張を補充することができないので,法廷の弁論で,裁判員の皆さんに納得いただかなければなりません。
主張の内容はもちろんですが,主張の伝え方,聴く人の集中力と共感をつかむプレゼンテーション技術も磨く必要があります。
観客を楽しませるマジックショーの話術と,
被告人の人生が決まる法廷でのプレゼンテーションを,
同列に論じることはできませんが,大変勉強になりました。
まさに“トレビア~ン”でした。
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