裁判のイメージと現実
今年は年末年始の休みが長期になったので、仕事のペースを取り戻すのに随分時間がかかりました。
仕事始めから2週目に入って、やっと慣れてきた感じです。
今週あたりから、裁判に行く日も増えてきました。
法曹関係者以外の人と話をしていると、裁判というと、一般的には刑事裁判のイメージが強いようです。
弁護士をしていると言うと、よく「犯罪者の弁護とかしてるの?」というようなことを聞かれます。
民事事件の裁判でも、裁判所で弁護士同士が激しく議論を交わしているといったイメージを持っている人が多いのかな思います。
あと、弁護士が「異議あり!」って叫んでいるイメージ。
しかし、民事事件では、実際には裁判所でほとんど何もしないということが少なくありません。
民事事件における主張は、基本的には書面でします。
お互いに書面で激しく応酬することはありますが、裁判所で弁護士同士が議論を闘わせるというのは稀です(もちろん全くないわけではありません。)。
また、「異議あり!」というのは、証人尋問等の際に、相手が不適切な質問をしたときに出ることの多い発言ですが、尋問の手続きをする前に和解で終わる事件もかなり多くあります。
つまり、多くの裁判は、「異議あり!」と言う機会すらないまま終わってしまうのです。
裁判所に出頭しても、ほとんど何も発言しないまま、次回の裁判期日だけ決めて帰ってくるということも少なくありません。
それなら、わざわざ裁判所まで行かなくても、書面だけ出しておけばいいじゃないのかとも思うかもしれませんが、日本の裁判ではそれは許されません。
そのため、遠方の裁判所までわざわざ丸一日かけて行ったのに、ほとんど実質的なやりとりをすることなく、1分で裁判期日が終わってしまうということも頻繁にあります。
電話会議といって、遠方の裁判所の場合には、出頭せずに電話で済ませられる手続きもありますが、まだまだ限界があります。
時間の無駄を少しでも減らせるように、もう少し制度が改善されないものかといつも思っています。
まあ、行き帰りの時間は息抜きにもなりますし、仕事で普段行かないような地域に行けることは魅力でもあるのですが。
裁判のイメージが少しだけ伝わったでしょうか?
裁判傍聴というと、ほとんどの方が刑事事件の傍聴をされますが、敢えて何が行われているのかよく分からない民事事件を傍聴してみるのも新鮮かもしれません。
バランスが難しい。
真に時間の無駄に思えることももちろんありますが、
そうでないことも多いのも実感としてあるんですよね・・・。
電話会議は時間も費用も節約できるわけですが、
その場に関係者が顔を合わせることの意義も捨てがたいです。
確かに
確かに顔を合わせて話すことで初めて伝わることもありますね。
制度だけの問題ではなくて、期日で中身のある話をできるように、関係者が事前に(早めに)しっかり準備をしておくことも、無駄をなくす方法の一つかもしれません。
民事の傍聴は、簡易裁判所がおすすめです。
地方裁判所だと、
書面のやり取りで終わった後の証人尋問を聞いても
何が問題なのかわからないことが多いですよね。
簡易裁判所だと、
裁判所と当事者、代理人がその場でいろいろやり取りしてたりして、
熱心な裁判官にあたると結構面白いです。
個人的には、岸和田簡裁の某裁判官をお勧めします。Gf
簡裁は全てのやりとりを法廷でするので、地裁よりも法廷は盛り
簡裁は全てのやりとりを法廷でするので、地裁よりも法廷は盛り上がりますよね。
某裁判官、興味あります。
新しいコメントの投稿