カジノに思ふ
先週末,弁護士会の会派(※)旅行
で,マカオと香港に行ってきました。
※会派とは,大阪弁護士会に存在する親睦団体で,
弁護士会の役員・執行部の選出母体ともなっています。
異文化に触れて思ったことを,2つ,3つ,
つれづれなるままに書きます。
マカオといえば,カジノ。
ということで,普段全くギャンブルはしない私も,
カジノに行って遊んでみました。
トライしたのは,「大小」というメジャーなゲームで,
3つのさいころの目の合計の大・小・ぞろ目を当てるものです。
4~10までが小,11~17までが大。
大,小を予想して賭け,当たれば掛けたお金が2倍になります。
(ぞろ目の場合には,倍率が違います)
ゲームとしては非常に単純。単純ゆえの魅力があるんです・・・。
テーブルにより,ミニマムベットがあります。
ミニマムベットは,だいたいどこのカジノで,
ディーラーのいるテーブルは最低200香港ドルから。
「HIGH LIMIT」という高級感ただよう部屋も用意されており,
ここでは,5000香港ドルから,というところもあります。
現在,1香港ドル14円程度。
200香港ドルは2800円。
1回勝負するのに,2800円。
それが,ものの1分で紙のように消えていきました。
でも,ゲームの流れ次第では,ものの10分で,
1時間分の法律相談を行ったくらいの現金が入ります。
旅行を通して,約10万円勝った人もいました。
私は,日本でこんな大金のお金を賭けたことはありません。
なのに,あっという間にお金なくなっても止めがたい,
次は当たるんじゃないか,とか後ろ髪ひかれる思いを実感しました。
なるほど。
どこかの紙の会社の役員がマカオで紙のようにお金をすった事件について,
「そもそもほんとにそんな大金を使えるの?」
「なんで負けた時に止めないの」
「何でムキになって子会社にお金送らせたの?」
と疑問しかなかったのですが,
こういうことか,と理解できました。
結論として思ったのは,
私は,大阪でのカジノ誘致には消極だな,ということでした。
もっとも,カジノで地元が非常に潤っているのは事実です。
マカオは治安もいいし,税金も,ぜいたく品以外にはかからないし,
医療費も学生と高齢者はタダ。通常は1割負担で良いことになっています。
カジノでもう一つ面白いな,と思ったのは,
法律で,ディーラーは,マカオ市民しかなることが出来ない
ということになっていることです。
一種のアファーマティブアクションだと思いますが,
これは日本では,14条に照らして
違憲の疑いが濃厚などと思っていました。
さてさて。
マカオから香港へは,フェリーで1時間。
香港で面白いと思ったのは,香港の結婚制度です。
どんな制度になっているかというと,
香港では,「結婚登記所」という役所があり,
結婚しようと思った2人は,結婚登記所に予約をして,
結婚の日時を決めます。
※この登記の手続を,弁護士が担うことができ,
裕福な家庭では,弁護士に依頼をして結婚の手続をするそうです。
(日本での,弁護士の業務拡大のヒントになりますでしょうか。)
そうすると,結婚登記所に,書面が張り出され,
「○○と××とは,何年何月何日に結婚しますが
反対の人は申し出てください。」と公示されるのだそうです。
公示の期間は最低15日。
この期間に,結婚することに反対する人がいたら,
2人は,その反対が正当がものでないと判明しない限り,
結婚できないのだそうです。
すごいですよね。2人の意思だけでは結婚できず,
結婚に障害がある場合にはそれを解決して
結婚するべきだ,という考えに基づくものだそうです。
たまに,妨害的に反対する人がいるそうですが,
結婚登記所の人が調査して,
正当なものかどうかを判断するという手続を踏むそうです。
反対がでずに公示期間が過ぎたら,
事前に予約していた日に,役人の前で
結婚証明書を作成し,立会人が承認のサインをすることで,
無事,結婚が成立する,ということになります。
面白いですよね。
まぁ,この制度も日本では,24条に照らして
違憲の疑いが濃厚だな,と思っていました。
香港の高等裁判所です。
弁護士になって初めての海外旅行でしたが,
やはりこうして異文化に触れる機会も必要だな,
と思った次第でした。
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