はじめまして,弁護士の増本です。

私は一年目の弁護士で,約7か月前に弁護士になったばかりです。

 

弁護士になって,よくご相談者に聞かれることの一つに「裁判になったらどのくらい期間がかかりますか」という質問があります。

 

自分で担当したことのある案件に近い案件であれば,経験をもとに「おそらく何か月くらい」とお答えしやすいのでしょうが,私の経験が浅く,また初めて担当する事案ではどうしても期間の見通しがわからないことも多いです。

そこで,ある程度見通しを立て,また客観的なデータを把握する意味でも,最初にご相談の概要を聞いた後,裁判所の出している統計を見るようにしています。

2017年2月20日 (月)

反対尋問

前回証人尋問について感想を述べました。

遥かに昔です。

今回は、その続きで反対尋問について、述べます。

 

映画やドラマでは、一番ドラマチックですよね。

 

被告人の矛盾をつきつけ、狼狽する姿。

新たな証拠をつきつけ、証人が「嘘をついていました」

 

かっこいいですよね。

 

でも、そんな展開ほとんどありません。

私には、技術が拙いのか、ありません。

 

反対尋問は何を目指すのか、

理想としては、反対尋問は誘導尋問だとされます。

つまり、相手の答えをコントロールでき、それにより、相手の主張が

弾劾できれば、それが最も効果的です。

 

逆に相手の主張を重ねて言わせるような、「塗り壁」な尋問は、

ダメだと言われます。そんなくらいなら、尋問しない方がましなのですから。

 

2016年12月28日 (水)

信託について

今年最終回は、最近話題の「信託」を取り上げます。

 

信託とは、ごく簡単にいえば、財産の管理処分を信頼できる第三者(受託者)に託す仕組みのことです。

財産管理といえば、例えば、不動産業者に賃貸マンションの管理を任せるような場合を思い浮かべられるかと思いますが、こうしたいわゆる財産管理委託契約では、対象財産の所有権を委託者本人に残したままであるのに対し、信託では、それを受託者に移転してしまうところに大きな特色があります。

 

信託は信託契約や遺言等によって設定することができます。

信託契約による設定がほとんどですが、具体的には、「委託者」は、その財産を一定の目的に従って管理処分することを「受託者」に委ねて信託譲渡し、譲り受けた「受託者」はその財産(信託財産)の管理処分から生じる収益を「受益者」(委託者自身である場合を「自益信託」、委託者以外である場合を「他益信託」といいます)に交付します。

 

2016年11月29日 (火)

傍聴のススメ

弁護士の西塚直之です。

 

大学で教えていると「裁判を見に行きたいけど、どうすればいいんですか?」と学生から聞かれることがよくあります。

 

色んな方に裁判を、実際に見てもらうことは有益なことだと思いますので、簡単に傍聴の作法を書きたいと思います。

 

裁判の中には非公開の手続もありますが、基本的には公開されているので、裁判所にいけば誰でも見ることができます。

芸能人の刑事事件などマスコミがくるような有名な事件は傍聴券(抽選)が必要ですが、ほとんどの裁判では傍聴券はありません。

 

まずは勇気を出して、裁判所の建物に入ってみましょう。

「いらっしゃいませ」とおもてなしを受けることはありませんが、さりとて警備員から「お客様困ります」と入れさせてもらえないこともないはずです。

なお、日傘・雨傘は法廷に持ち込めないので傘立てにおきましょう。

 

裁判所に入ったら、1階にある「開廷表」を見ましょう。

2016年6月2日 (木)

「おひとりさま」の相続

 

 最近、高齢化社会がかなり進んできだからでしょうか、相続に関する相談を受ける機会が非常に多くなっています。

 その中でも特に「おひとりさま」、つまり、結婚をされていないか、されたとしても結婚相手と死別したり離婚された方で、お子様もいらっしゃらない方からの相談を非常に多く受けます。

 よく受ける相談としては、「おひとりさま」本人が亡くなったとき、自分の財産を、生前にお世話になった方だとか、生まれ育った都道府県や市町村などの地方公共団体だったり、難病の子供を支援する病院とか障害者福祉施設といった特定の団体に寄付したいけど、どうすればいいか、といった内容です。

 

 実は、「おひとりさま」が亡くなった場合、何も相続対策をしなければ、まずは両親や祖父母といった方(直系尊属といいます。)が相続人資格者となります。

 ところが、これらの方が既にお亡くなりになっているケースがほとんどだと思いますので、通常は「おひとりさま」の兄弟姉妹、さらに、兄弟姉妹がお亡くなりになっている場合には、その方のお子様も相続人となります。そのため、相続人が10人以上となることもよくあります。