病気で文字が書けない父 遺言書の書き直しは (2014年5月3日掲載)

Q. うちの父が医師から余命わずかと告げられました。父は「遺言書は一度書いてあるが、別の遺言書に改めたい」と言っています。ですが、病気の影響で父は文字が書けません。どうすればいいのでしょう。また、遺言書を書き改めるということは可能なのですか?

■公証人出張や遺言センターなど利用を

A. 大丈夫です!遺言書にはいくつかの方式があり、自分で文字が書けなくても作ることができます。また、一度作ったとしても、いつでも別の内容に改められます。
遺言書の書き方としては、すべて自書する「自筆証書遺言」や、最低でも自分の名前を署名する「秘密証書遺言」がありますが、ご病気で文字が書けないとあっては無理ですね。そういう時は「公正証書遺言」を選びましょう。
 これは、遺言者が遺言の内容を口述し、公証人がそれを筆記するなどの方式で作るものです。証人2人の立ち合いが必要になりますが、署名は要りません。もし、遺言者が体力的に公証役場に出掛けられない場合でも、公証人が出張してきますので、自宅や病院でも作ることができます。
 次に、遺言書の書き直しについて説明します。遺言書の目的は、遺言者の最終意思や希望を実現することです。このため、気持ちが変われば、いつでも何度でも撤回や変更ができます。内容が矛盾するような遺言書が2通以上あるような場合には、最後に書いた遺言書が優先され、前に書いたものは撤回したものとみなされます。
 こうしたルールや遺言書の方式は、すべて民法で定められています。これを守らないと遺言が無効になってしまいますので、注意してください。また、相続争いを防ぐために遺言書を作ったにもかかわらず、内容によっては紛争がこじれてしまうケースもあります。そういった事態を避けるためにも、事前に弁護士に相談されることをお勧めします。大阪弁護士会では「遺言・相続センター」(06・6364・1205、祝日を除く毎週月~金曜日の午後1~4時まで)で無料電話相談を受け付けていますので、お気軽に電話ください。
    
 

<回答・足立 朋子弁護士(大阪弁護士会所属)>


※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

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