打者の折れたバット顔に 傷残った女性、賠償は (2014年5月17日掲載)

Q. この前の週末、友人とプロ野球観戦に行きました。内野席で見ていたのですが、打者のバットが折れ、私のところに飛んできたんです。私はよけきれず、顔に大きな傷が残ってしまいました。球団に賠償を求めることはできますか。私は会社の受付で働く20代女性です。

■自己責任、注意深く観戦を

A. もし、一生残るような傷が顔にできてしまったとすれば、若い女性にとってはきわめて大きな損害です。何とかしてもらいたいところだとは思いますが、残念ながら球団側の責任を問うのは難しいと言わざるを得ません。
同じようなケースが最近、裁判で争われました。阪神甲子園球場で観戦中、折れたバットが顔に当たって傷が残ったとして、観客が阪神側に損害賠償を求めたのです。今年1月に神戸地裁尼崎支部で判決があり、原告の請求は退けられました。裁判所は、球場のバックネットや内野フェンスの高さが一定の基準を満たしていることや、看板やアナウンスなどで飛来物への注意を促していたことから、球団側に責任はないと判断したのです。
他にも、ファウルボールが顔に当たった事故を巡る裁判もありますが、球団の責任が認められた例はありません。ネットなどの安全設備を欠くような場合には、賠償が認められる余地があるとはいえ、プロ野球が開催されるレベルの球場では、そのようなことはめったにないでしょう。結局、試合観戦中に不幸にして事故に遭っても、ほとんどのケースは自己責任になります。ファウルボールや折れたバットが飛んでくるなど、球場は時に危険な場合もあります。選手の一投一打の行方をしっかり見守り、十分に気をつけて観戦してください。    

 <回答・小仲 真介弁護士(大阪弁護士会所属)>


※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

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