裁判員候補者で呼び出し状 「遺体見たくない」と断れる? (2014年9月6日掲載)

Q. 先日、裁判所から裁判員候補者への呼び出し状が自宅に届きました。裁判員をやってみたい気持ちはあるのですが、もし殺人事件が担当になった場合、遺体の写真を見ることになるのではないかと心配です。呼び出しを受けたのに裁判所に行かないと罰せられると聞いたことがあります。遺体の写真を見たくないという理由で、裁判員の就任を辞退できるのですか?

■気持ち説明し可能な範囲で参加を

A. 「裁判員をやってみたいけど、遺体の写真を見るのは心配」という気持ちは、よく分かります。ただし、裁判員制度には、市民の方に参加してもらい、よりよい裁判にしていくという目的があります。無理をする必要はありませんが、裁判員への就任を辞退できるかどうかをお答えする前に、裁判員裁判における遺体の写真の取り扱いについて説明させてください。
 昨年3月に強盗殺人事件の裁判員を務めた方が、遺体の写真を見て急性ストレス障害となり、国家賠償請求訴訟を起こしました。それ以降、殺人事件の裁判ではむごたらしい遺体の写真について、そのままでは証拠にしないことが多くなりました。遺体の写真に代えて絵を使うこともあります。写真を使わないといけないような場合でも、枚数を減らしたり、カラーではなく白黒の小さい写真を使ったりするなどの工夫がされています。また、裁判所は裁判員メンタルヘルスサポート窓口を設けており、カウンセリングを受けることもできます。それでも「やっぱり不安」ということであれば、辞退を申し出るという方法があります。呼び出しを受けたのに裁判所に出頭しないと、10万円以下の過料を科せられることになっていますので、裁判所へ行って遺体の写真を見たくない気持ちを説明するようにしてください。
 あなたが裁判員になると「精神上の重大な不利益が生じると認めるに足りる相当の理由がある」と裁判所が判断すれば、辞退が認められます。
 裁判員裁判制度は、ご協力いただける程度が人によって異なることを前提にしています。裁判所もそのような方向で運用するようになってきました。無理をせず、可能な範囲でご参加頂ければと思います。 

<回答・金村修弁護士(大阪弁護士会所属)>

※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

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