ネットオークションの免責特権 (2014年11月1日掲載)

Q. インターネットオークションサイトで、中古のバイクを購入しました。サイト上には「車体に傷あり」「5年落ち」と記載されていましたが、写真を見て状態も良さそうだったので、15万円で落札したのです。ところが、商品が届いて乗ってみたらガソリンタンクからの油漏れがあり、とても安全に走行できる状態ではありません。出品者に文旬を言ったところ、「サイト上で『ノークレーム・ノーリターン』(免責特権)と記載している」と言って、返金に応じようとしません。どうしようもないのですか?

■商品に隠れた瑕疵あれば賠償請求や契約解除も

A. インターネットのオークションサイトでは、商品の説明欄に「『ノークレーム・ノー
リターン』でお願いします」と記載されていることがあります。これは、出品者に対する一切のクレームやリターン(解除・返品)を受け付けないという意味です。しかし、このような記載のある商品を落札したとしても、必ずしも契約解除や返金要求ができ
なくなるわけではありません。
 通常、商品に隠れた暇疵(取引で一般に要求される程度の注意をしても発見できない欠陥など)があり、買い主がそれを知らなかった時、売り主は担保責任を負うことになります。これは民法570条で規定されており、買い主は損害賠償請求や、場合によっては契約解除ができます。
 一方、今回のようにネットオークションの出品者が「ノークレーム・ノーリターン」と表示した場合、一般にはこれを了承した人のみの入札に応じる意思を示したと解されます。これは、出品者の担保責任を免除する特約(民法572条)と考えられ、原則として有効です。ただし、商品に瑠疵があることを知りながら隠して取引した場合にまで、免責が認められるわけではありません。出品者は担保責任を免れることはできず、落札者は損害賠償を請求できます。暇疵のために契約の目的が達成できない時は解除も可能です。
 あなたの場合、説明欄に記載のないガソリンタンクからの油漏れがあり、落札したバイクは安全に走行できる状態ではないとのことでした。出品者が油漏れの件を知りながら、それを告げずに取引したのであれば、あなたは契約を解除し、出品者に対して返金を求めることができます。 

<回答・池本順子弁護士(大阪弁護士会所属)>
 
※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

ページトップへ