長男への財産譲渡、除外の手立ては (2015年1月17日掲載)

Q. 子供に遺産を相続させないということはできるのでしょうか。私には2人の息子がおりますが、長男には財産を残したくないのです。長男はギャンブルに明け暮れ、私の妻を殴って金をせびることも頻繁にありました。我慢できずに勘当にし、今は音信不通になっています。遺産が渡っても、どうせろくな使い方をするはずがありません。長男を相続人から除外するには、どのような手立てがありますか。

■民法に「相続廃除」制度 裁判所の認定が必要

A. 困った長男をお持ちですね。お気持ちをお察しいたします。今回のような場合の手当てとして、民法は「相続廃除」という手続きを用意しています。
 この長男も子である以上、相続権を有しています。それだけではなく、遺留分という権利もあります。仮にあなたが「長男には全く相続財産を渡さない」という遺言を残したとしても、長男は一定の財産を確保できます。割合は、法定相続分の2分の1になります。
 しかし、ご相談内容のような事情がある場合にも相続権を認めるというのは、あまりにも不合理です。そこでこのような遺留分権利者の相続権を剥奪するため、相続廃除の制度が設けられているのです。
 民法は①虐待②重大な侮辱③著しい非行-を廃除の事由に挙げています。これらの要件に当たるかどうかは、①~③の行為が客観的かつ社会的にみて相続権の廃除を正当とするほどに重大と裁判所に認められなければなりません。これまでに廃除が認められた事例としては、㋐老齢で病床にある父母に対し生活費を与えず小屋に別居させ、母に障害を負わせた㋑父の金を無断で使って多額の支払いを負わせ、これを注意した父に暴力を振るったうえ、家出した㋒正業に就かず浪費を重ね、落ちぶれていった一ケースなどがあります。
 あなたの長男の場合も、これまでの事例からすると、廃除が認められる可能性が高いのではないかと思われます。相続廃除の手続きは、生前に家庭裁判所に申し立てる方法と、遺言による方法があります。廃除を確実にするには、生前の手続きを取っておくべきでしょう。分からないことがあれば、気軽に弁護士にご相談ください。

<回答・曽根英雄弁護士(大阪弁護士会所属)>

※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

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