不倫ばれ、妻が勝手に離婚届 (2015年3月14日掲載)

Q. 一生の不覚です。不倫をしていたことが家族にばれました。激怒した妻(A美と言います)が勝手に役所へ離婚届を出し、子どもを連れて実家に帰ってしまいました。不倫のことは本当に反省しています。ですが、妻とは別れたくありません。離婚届をなかったことにはできないのですか。

■協議離婚の要件満たさず 妻の気持ち再度確認を

A. 協議離婚が有効に成立するためには、離婚届の提出時点において、夫婦が共に離婚する意思があり、それを届け出る意思がなければいけません。今回はこの要件を欠いていますので、離婚は無効になります。
 離婚が無効であると広く主張するためには、家庭裁判所での手続きが必要になります。一般に、まずは協議離婚無効確認の調停を申し立てることとされています。A美さんが無効原因を争わず、調停で解決することにも合意したうえ、裁判所も相当と認めれば、離婚無効確認の審判がされます。解決できなかったり、調停によることが不適当な事情があったりする場合には、離婚無効確認の訴えを起こすことになります。離婚を無効とする審判や判決が確定すれば、これに従って戸籍を元に戻せます。
 しかし、仮に離婚が無効となったとしても、A美さんに復縁の意思がなければ、離婚調停を起こされることになるでしょう。不貞行為は民法で離婚事由になると定められていますので、調停であなたが離婚に合意しなかったとしても、訴訟まで手続きが進み、結局強制的にでも離婚させられることになります。
 その場合、訴訟費用や離婚時点までの婚姻費用(生活費)も負担しなくてはならなくなり、養育費や財産分与、慰謝料も請求されるでしょう。また、子どもの親権者を母と決めることに異論があっても、A美さんが育児を担当されてきたのであれば、 A美さ
んが親権者に指定される可能性が高いと思われます。これらの点を考慮すると、離婚届を出されたことに不満があったとしても、追認した方が合理的かもしれません。
 以上の通り、勝手に出された離婚届をなかったことにはできても、結局は離婚に行き着くことになるかもしれません。A美さんの気持ちを確認したうえで、一番良い解決策を考えていくことが大事だと思います。

<回答・加藤賢一弁護士(大阪弁護士会所属)>

※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

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