電車揺れ女性のスマホ壊し弁償は (2015年7月4日掲載)

Q. 先日、朝のラッシュアワーに快速電車で通勤していたところ、カーブだったのか電車が揺れ、私はつり革にもつかまっていなかったため隣の女性にぶつかってしまいました。その際、女性が持っていたスマートフォン(スマホ)が床に落ちて画面が割れてしまいました。女性は「どうしてくれるのか。弁償してほしい」と言ってきたが急いでいたので、名刺を渡して連絡先を教えたところ、その日の午後、女性から会社に電話があり、スマホの修理代を請求されました。電車が揺れたのが原因ですが、修理代を払わないといけないでしょうか。

■過失の割合を検討 請求代金が相応か確認を

A. スマホは小さく、手で持って使用できる携帯移動端末ですが、高価な精密機器で壊れやすく、壊れてしまうと修理費用も高額になりがちです。
 さて、混み合った電車の中でスマホを手に持っていた女性(X)に、つり革につかまっていなかった方(Y)が電車に揺れたことでぶつかってしまい、Xがスマホを落として壊れたということです。
 民法は、過失によって他人の権利を侵害した場合、生じた損害を賠償する責任を負うとしています。Xのスマホは壊れたことが、Yの過失によるのか、連絡してきた方が本当にXか、修理代が適当かを考えなければなりません。
 名刺を渡しただけで、Xの名前も連絡先も聞いていないので、連絡してきた方が本当にXなのか確認した上で話を進めていく必要があります。そして、Yの過失によるのかですが、過失は、損害の発生を予測できたかどうか、回避できたかどうかによって判断します。
 確かに、ぶつかったのは電車が揺れたからですが、混雑して揺れる、他の乗客とぶつかることが十分に予想される電車内で、つり革につかまっていなかったことでぶつかったので、過失はないとはいえないでしょう。
 他方で、民法は被害者側の過失も考慮することとしています。揺れて他の乗客とぶつかることが十分に予想される混雑した電車内で、高価で壊れやすいスマホを手に持っていたXにも過失がありそうです。
 そうすると、スマホが壊れたことについて、XとYそれぞれに過失があるということになりますから、過失相殺といって、生じた損害からXの過失による分は控除してその余を支払うということになります。最後に、請求されている修理代金が相応かどうかの説明を受けましょう。例えば、修理業者の見積書など見せてもらうとよいでしょう。

<回答・東田展明弁護士(大阪弁護士会所属)>

※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

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