スマホで会話を秘密録音 許される? (2015年10月24日掲載)

Q. 高校で同じクラスのA子はクラスメートや先生との会話をいつもスマートフォンで無断録音しています。友人がクラスメートの悪口をA子と話したところ、録音した会話を再生して別の友人に聞かせていました。こんな無断録音は許されるのでしょうか。

■「違法」ほとんどなし 他人に漏らすと名誉毀損の可能性も

A. 会話の無断録音(以下「秘密録音」)への違和感は、多くの人が持つ感覚です。しかし、ほとんどの場合、秘密録音は違法となりません。私人間での秘密録音について、違法とした判例はほとんどありません。
 詐欺の被害を受けたと思った人が自衛的に録音したケースで、2000年7月の最高裁判決は「一方の当事者が相手方との会話を録音することは、たとえ相手方の同意を得ないで行われたものであっても、違法ではなく」と判示しています。
ご質問めケースは、会話当事者の間では、会話の内容は秘密性がなく、プライバシーを放棄しているとも考えられます。したがって、秘密録音が違法とは言えないでしょう。
 ただ、秘密録音を第三者に聞かせることは、別の問題です。第三者に聞かせることまで許容して会話しているとは通常考えられず、録音された人間はプライバシーを放棄しているとは言えないでしょう。友達の悪口を含んでいるならなおさらです。
 また、第三者に話した秘密録音の内容が、人の社会的な評価を低下させるものであれば、名誉毅損の問題も生じます。
 ちなみに、秘密録音を一人に漏らしただけといってもプライバシー侵害になり得ますし、それが「伝播」していく可能性があるのであれば名誉殿損が成立し得ます。
 結局のところ、プライバシー侵害、名誉穀損に当たるか否かは、その秘密録音の内容、漏洩や公開の仕方を総合的に判断することになります。 

〈回答・奥村裕和弁護士(大阪弁護士会所属)〉

※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

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