職場の上司や同僚のたばこ臭が不快 (2016年1月9日掲載)

Q. 私は大の嫌煙家です。そのためたばこの臭いも大嫌いで、臭いがするだけで気分が悪くなります。職場は完全分煙ですが、ヘビースモーカーの上司、同僚がいて近くにいると臭いがすごいです。文句を言っても変わりません。どうにかできないものでしょうか。

■快適な環境を形成へ 事業者に改善義務

A. たばこの煙を吸わされる「受動喫煙」は、非喫煙者の健康を害する危険性が高いことが研究で判明しており、法律は、職場での受動喫煙を防ぎ労働者の健康を保持増進するため、適切な措置を講じるよう努める義務を事業者に課しています。
 しかし、「たばこの臭い」が非喫煙者の健康を害するかについては、現時点で因果関係がはっきりしていません。したがってたばこの臭いを直接規制する法律はなく、臭いを理由に会社に損害賠償などを求めることは一般的には困難と考えられます。
 もっとも、近年の研究で「喫煙者の服や髪に付着した残留物から有害物質を吸入すること」(「残留たばこ煙」や「三次喫煙」と呼ばれます)が健康被害をもたらすとの報告もあり、たばこの臭いは、少なくとも職場の快適性に関係するものと言えます。
 この点、労働安全衛生法は事業者に対し「快適な職場環境を形成するよう努める義務」を課しています。義務を具体化した指針では、職場の臭いについても労働者が不快に感じることがないよう必要な措置を講ずることなどが求められています。
 したがって、上司や同僚のたばこの臭いがとても不快に感じるようであれば、会社に事情を話して職場環境の改善を求めるのもよいでしょう。例えば、喫煙室の換気能力を上げてもらえれば、喫煙者の服や髪の毛に染みつく臭いも今より軽減されるかも知れません。ただ、たばこは個人の趣味嗜好として許容される面もあります。マスクを着用するなどして自衛するのも大事ではないでしょうか。

〈回答・天野聡弁護士(大阪弁護士会所属)〉

※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

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