道沿いの家の木で車に傷 法的に何できる? (2016年1月30日掲載)

Q. 市道を車で走っていた時、道沿いの家の敷地から飛び出た木の枝で車に傷が付きました。家の人に文句を言っても取り合ってくれません。法的に何かできますか。

■「木の枝」状況により賠償請求も可能に

A. ご相談のケースでは、法的には①「飛び出た木の枝」の占有者(所有者)に対して損害賠償請求する②「市道」を管理する市に道路管理上の瑕疵があったことを理由に損害賠償請求する―の二つの方法が考えられます。
 ①については、民法717条2項が「竹木の栽植などに瑕疵があり他人に損害が生じたとき竹木の占有者(所有者)は損害を賠償しなければならない」と定めています。木の枝が通常の安全性を欠いていると言える場合は「飛び出た木の枝」の占有者(所有者)である道沿いの家の人に対し、損害賠償請求できる可能性があります。
 ②については、国家賠償法2条1項が「道路管理に瑕疵があったため他人に損害が生じたときは、国または公共団体が賠償責任を負う」と定めています。木の枝が飛び出て市道に危険が生じているにもかかわらず市が対処しなかった点で管理に瑕疵があると判断されれば、市に対して損害賠償請求ができる可能性があります。
 ただし、木の枝が飛び出ている程度や態様によっては、賠償責任が否認されることもあり得ます。また①も②も、運転者が相応の注意をして走行していれば回避できたという事情がある場合は、過失相殺により、請求できる損害額が減額されることになります。
 実際に賠償請求をするとなると、車の傷が木の枝との接触によって生じたものか否かを立証しなければなりません、生じた損害(傷の修理費)の額も立証しなければなりません。また、道路状況や運転状況、事故態様、家人や市の対応状況などのさまざまな事情が、瑕疵の有無や、過失相殺した場合の過失程度の判断に影響しますので、実際に請求するとなると簡単な話ではありません。

〈回答・西澤真介弁護士(大阪弁護士会所属)〉


※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

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