外食で食中毒 店に賠償請求できる? (2016年2月20日掲載)

Q. 先日、妻と子と近くの飲食店で晩御飯を食べたところ、全員がその後急に体調を崩し、私も発熱や嘔吐などがひどく入院。1週間ほど自営業を休業しました。他の客にも同様の症状が出て食中毒と断定され、店は数日間の営業停止処分を受けました。治療費や慰謝料、休業による賠償の請求などは可能ですか。

■治療費や慰謝料、休業賠償も可能 領収書、診断書保管を

A. 飲食店で提供された料理が原因で食中毒に罹患した場合、治療費などの損害賠償を請求することができます。
 その店の料理を食べて食中毒に罹患したことが分かるよう、飲食の領収書は保管しておいてください。また、医療機関で食中毒の原因や症状などを記載した診断書を作成してもらうと良いでしょう。
 治療費については、実費相当額を請求することができます。治療の内容や金額が分かるよう、治療費の領収書や明細書は大切に保管しておいてください。
 通院にかかった交通費も、公共交通機関の運賃や自家用車を利用した場合のガソリン代などを請求できます。タクシー代は症状の程度や交通の便などから相当と認められる場合にのみ請求できます。
 慰謝料については、入通院を強いられたことによる「入通院慰謝料」、後遺症が生じた場合の「後遺障害慰謝料」、死亡した場合の「死亡慰謝料」などがあり、今回のケースでは入通院慰謝料のみ請求ができます。入通院慰謝料は原則として入通院した期間を基礎とし、一定の基準に基づいて算定します。
 自営業を休業したことによる損害については、現実に収入が減少した場合に請求することができ、損害額は1日当たりの基礎収入額に休業期間を乗じて算定します。基礎収入は、原則として前年の申告所得額を基礎としますが、所得額に変動がある場合は数年分の申告所得額を考慮することもあります。事業を存続するために休業中も支出を余儀なくされた家賃などの固定費がある場合は、上乗せして基礎収入を算出することもあります。
 慰謝料や休業損害については個別的な事情をもとに算定する必要があります。不安な場合は弁護士にご相談ください。

〈回答・高橋映美弁護士(大阪弁護士会所属)〉

※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

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