友人に衣服貸与後に事件知る 援助罪に問われる? (2014年2月22日掲載)

Q. この前、中学時代の友人が自宅を訪ねてきました。「要らない服があったら貸してほしい」と頼まれたので、ニット帽とジャンパーを渡しました。さらに「九州の親戚の家に行く」と言うので、フェリー乗り場まで車で送ってあげました。ところが自宅に戻り、テレビを見てびっくり。友人は強盗事件を起こし、警察に逮捕された後、すきを見て逃げた直後だったのです。私は逃走を手助けしたことになるのでしょうか。罪に問われますか?

■逃走手助けには当たりません

A. 最近、逮捕された男が検察庁から逃走し、世間を騒がせました。あなたのように、事件を起こした友人に偶然出会い、結果的に逃走を手助けしてしまった場合、罪に問われるのかは気になるところですね。
刑法100条には「逃走援助罪」の規定があります。これによれば、法令に基づいて拘禁された人に対し、逃げさせる目的で、器具を提供するなど逃走を容易にする行為をした場合、処罰の対象になります。最高で3年の懲役が科せられる可能性があります。
「法令に基づいて拘禁された人」とは、事件を起こして警察や検察などに身体の自由を拘束された人のことです。留置場や拘置所、刑務所に収容されている人がイメージしやすいかもしれませんが、逮捕されて警察署に連行される途中の人らも含まれます。あなたの友人は、警察に逮捕された後に逃走していますので、該当します。
次に「逃走を容易にする行為」について考えます。今回、あなたがニット帽とジャンパーをあげたことで、友人は服装を変えることができ、追跡する警察官から見つかりにくくなります。また、フェリー乗り場まで車で送ったことで、友人はフェリーを利用して遠くへ逃げやすくなりました。いずれも、逃走を容易にする行為にあたるように思えます。
しかし、逃走援助罪に問われるのは、こうした行為が「逃走させる目的」だった場合です。あなたは、友人が逮捕されたことも、その後に逃走したことも知らなかったわけですから、友人を逃げさせようとしていたとは言えません。ですから、あなたが罪に問われることはありません。
もちろん、あなたが友人の逃走を知っていたとすれば別です。例えば、テレビや新聞で友人の逃走が大きく報じられ、あなたがその報道を目にした後に同じことをした場合には、逃走させる目的があったとして罰せられる可能性があります。

 <回答・亀石倫子弁護士(大阪弁護士会所属)>


※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

ページトップへ