上場企業が粉飾決算 内部告発も解雇心配 (2014年4月19日掲載)

Q. 私はある上場企業で経理を担当しています。経理チームの主任だった先輩社員がこの春に定年退職し、私が後任に任命されました。その際の引き継ぎ事項として、うちの会社が利益を過大に見せかける粉飾決算をしていることを知らされたのです。担当役員からは「目をつむれば出世を約束する」と言われましたが、やはりおかしいと思います。内部告発を考えていますが、会社を解雇されないか心配です。

■通報者「保護要件」相談を

A. 内部告発(公益通報)により不正行為をただすことは、公正な社会の実現につながります。また不正行為がそのまま続けば、結局は会社に大きなダメージをもたらす結果になるため、早期是正は会社にとっても重要です。
こうした考え方から、公益通報者保護法が2004年に制定されたのです。上場企業の粉飾決算は、この法律で定める通報対象事実に該当します。通報先(会社内部や行政機関、マスコミなど)ごとに定められた保護用件を満たせば、解雇は禁止されるのです。もし、保護用件を満たさない場合でも、労働契約法で禁ずる解雇権の乱用と判断され、解雇が無効になることもあります。
しかし現実には、解雇される必要がないとは断言できません。たとえ正当な内部告発であっても、会社が犯人探しのように通報者を特定して報復措置をとり、裁判などで救済を図らなければならないケースも生じているのです、従って、内部告発をする場合には、通報者として特定される恐れが有るか否か、救済が可能になる保護要件を満たしているかどうかを慎重に見極める必要があります。
そのためには、通報先として会社のヘルプラインなどの窓口を利用すべきかどうか、どのような方法で通報すればいいのか、公益通報者保護法の要件を満たすにはどうすればよいのか―などを検討しなければなりません。法律の専門知識が必要ですので、弁護士とよく相談することをお勧めします。なお、大阪弁護士会では、公益通報者サポートセンターで公益通報に関する無料電話相談(毎週月曜の正午~午後3時、06・6364・6251)を受け付けています。インターネットで面談相談の申し込みもできますので、ぜひご利用ください。
    

 <回答・山本雄大弁護士(大阪弁護士会所属)>


※記事内容は掲載当時のものであり、現在の制度や法律と異なる場合もございます。

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