安全保障関連法の参議院強行採決に抗議し廃止を求める会長声明

安全保障関連法の参議院強行採決に抗議し廃止を求める会長声明

 安全保障関連法(以下「本法」という。)は、本年9月17日に参議院特別委員会で、19日には参議院本会議で、それぞれ強行採決により成立した。
 本法は、これまで政府が40年以上にわたって行使できないと解釈してきた集団的自衛権の行使を認め、自衛隊の海外での活動を飛躍的に拡大するものである。
 本法は、昨年7月1日の閣議決定による憲法第9条の解釈変更を受けて制定されたものであるが、憲法第96条による改正手続を経ないでこのような法律を制定することは、立憲主義及び憲法第9条に違反し、到底許されるものではない。
 当会は、これまで、会長声明や意見書等で何度もその問題性を明らかにして強く反対をしてきた。日本弁護士連合会や全国の弁護士会も、閣議決定の違憲性を指摘し、本法の成立に反対してきた。
 本法に対しては、全国の大多数の憲法学者や元長官を含む元最高裁裁判官、歴代の元内閣法制局長官ら法律専門家が、その違憲性を訴えて成立に反対してきた。
 国会での審議が進むにつれて、本法の問題点が次々と明らかとなり、連日数千人以上の市民が国会周辺を取り巻いて、本法に対する反対の意思を表明してきた。全国各地で毎日のように数千人規模の集会やパレードが繰り広げられ、マスコミの調査によっても国民の7割近くが本法の今国会の成立に反対している。
 ところが、それらの意見を全く無視して、参議院は、強行採決によって本法を成立させたのである。民主主義を破壊し、国民主権を蹂躙するものと言わざるを得ない。
 憲法違反の本法は、国会が承認をしたとしても、違憲の法律であることに変わりはない。当会は、本法の参議院強行採決に断固抗議し、本法の速やかな廃止を強く求めるものである。

以上


2015年(平成27年)9月19日
大阪弁護士会      
会長 松 葉 知 幸


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