ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法の期限延長を求める会長声明

ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法の期限延長を求める会長声明

 ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(以下「本法」という。)が2017年(平成29年)8月7日の期限到来を迎える。
 当会は、2012年(平成24年)3月29日、「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法を失効させることなく、改正のうえで恒久法化することを求める意見書」を発表し、本法を当時予定されていた同年8月の期限到来をもって失効させることなく、住宅困窮者(安定した住居を持たない者及び住居を喪失するおそれのある者)の権利性を強化した恒久法に改正することを求めた。その後、本法は施行期限が5年間延長されるとともに、2015年(平成27年)4月からは新たに生活困窮者自立支援法(以下「新法」という。)が施行されている。
 本法に基づき実施されてきた①ホームレス総合相談推進事業、②ホームレス緊急一時宿泊事業、③ホームレス自立支援事業等は、新法の施行にともない、①については新法の自立相談支援事業に、②及び③については新法の一時生活支援事業に財源の位置付けが移行して実施されている。また、本法のシェルターやホームレス自立支援センターにおける職員の人件費についても、新法の自立相談支援事業に移行して実施されている。しかしながら、本法は、「ホームレスに関する問題の解決」を法の目的として明記し(1条)、国と地方自治体に基本方針・実施計画の策定を義務付け(8条、9条)、国にホームレスの実態に関する全国調査の実施を義務付けており(14条)、新法実施後も本法に基づきこれらの計画策定や全国調査が実施されている。一方、新法には、このような規定は全くないため、本法が上記期限到来によって失効すれば、これらの計画策定や実態調査が行われなくなるおそれが強い。
 ところで、ホームレス状態の人の数は減少したとはいえ、2016年(平成28年)1月の国の概数調査によっても全国でなお6235人(大阪は1611名で各都道府県の中で最多数である。)が確認されており、前年同月の6541人(大阪で1657名)と比べても高止まりしている(実際は、その約2.8倍のホームレス状態の人が存在するとの民間団体の調査もある。)。ホームレス問題の解決を国の責務として法文上明記し、国や地方自治体による実態調査や支援計画の策定等を継続実施する必要性は全く失われていないことは明らかである。
 ホームレス問題の解決を恒久法に位置付ける方策については、2018年度(平成30年度)に予定されている新法の見直しに合わせて新法の中に盛り込む方向性や、住宅困窮者の権利法を新法から切り出して制定する方向性が考えられる。いずれにせよ、上記の本法の施行期限の到来によってホームレス問題の解決の施策に関する根拠法がなくなる事態があってはならない。
 よって当会は、本法の施行期限を一定期間延長したうえで、その期限内にホームレス問題の解決を恒久法に位置付ける方策を検討し必要な法改正を行うことを、改めて求める次第である。

2016年(平成28年)11月8日
  大阪弁護士会      
  会長 山 口 健 一

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